林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

5月22日(日)みて、きいて

今週も、

城西国際大学 メディア学部 教授、

掛尾良夫(かけお・よしお)先生の授業。

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今回は、日本における映画教育と、映画産業の二極化について、

お話しいただきました。

 

様々な映画祭で、昔も今も高い評価を得ることの多い日本映画。

しかし、日本の映画市場は他の国から見るとかなり異質で、

日本から他国へ輸出され、世界で広く受け入れられるかというと

難しいのが現状なのだそう。

その問題点として、幾つかヒントになる考え方が、

披露された授業となりました。


映画産業の面では、中国や韓国など、歴史の浅いアジアの国・地域に比べて、

古い歴史を持つ日本。

その分、制作過程に保守的な部分が多く存在するのは確かなようです。

映画の世界市場では依然として、ハリウッド映画が中心的存在であり、

中国市場が爆発的に拡大する中、

映画という産業、文化が目指す方向性が、

今まさに問われています。


現状をどう分析し、何を課題に据えるか ― 

家族や集団よりも、個人が尊重され、

社会情勢や経済が一朝一夕に変貌する時代、

投資を回収し、かつ文化水準の向上を目指すという二律背反の中で

もがき苦しむ様子が、

様々な業種で見受けられます。

誰かと共通の体験をする安心感も、

自分だけが知っている楽しみを持つことも、

どちらも満たしてくれるものこそ映画なのかも。

その実現には、

映画を供給する側が、メジャーもマイナーも、集客力も予算も様々な作品に投資し、

そして、鑑賞する側も、面倒がらず、まめに面白がること習慣づける、

そうした両輪が欠かせません。


加速度的に忙しくなってしまった日本人。

心のゆとりを取り戻すには、

映画も、ラジオも、いいものですよね。

                   石川真紀


番組日記 | 2016年5月22日 08:00

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