林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

4月14日(日)現代に生きる

今週は、

城西大学 経済学部 教授、

大水善寛(おおみず・よしひろ)先生の授業でした。

 

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先生のご専門である経済思想史は、

= 経済に関する考え方の歴史、ということで、

元々は、ミクロの考え方だけだったものに、

マクロの考え方が後から加わったこと、

ミクロとマクロの指標は、一致しないケースが多いこと、

経済の波及効果は、短期的現象と長期的現象に分けて考えられること、など、

経済学の入門を教えていただきました。

 

経済学、経済と聞くと難しく感じられても、

日本の諺に、

例えば、「 風が吹けば桶屋が儲かる 」

    「 情けは人の為ならず 」 と言われるように、

日々の生活、身近な事象に浸透している考え方と理解すると、

わかりやすくなります。

 

今日の授業で挙げられた

イギリスの経済学者、ジョン・アトキンソン・ホブスンは、

19世紀~20世紀の時代を生きた人物ですが、

経済の建て直しに関する考え方などから、

今の時代は、ホブスンの時代と目されているそうです。


彼の考え方の中で印象的なのが、

' 平等 ' という概念の大切さ。

ここで言う平等とは、

チャンス(機会)に対する平等を言い、

学歴が偏重されてきた長い歴史と

親の所得による教育への影響など、

今の日本が抱える問題を照らし合わせて考えることのできるテーマです。

 

「 歴史、流行は繰り返す 」 と世に言いますが、

先達とは現代を共有することが出来ません。


過去に学ぶべき部分は謙虚に学びつつも、

大水先生のように、

今の時代に合わせて解説してくださる

現代の学者さんたちの見識こそ、

本質的に学ぶべき所が多いということを、

再認識する授業でした。


様々な意見を見聞きし、

誰の、どんな説が信頼に値するかを見極め、

共に考えながら現代を作り上げる責任を、

私たちは自覚しなくてはなりません。

 

そして、為政者は、

市井に生きる私たちのミクロ経済が日本の根っこを支えていることを、

忘れないで居ていただきたいと思います。                                                                                                                

                石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】

    
  Starting Over / John Lennon


番組日記 | 2013年4月14日 08:00

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