林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

3月2日(日)加速する技術革新に思うこと

今週は、

城西大学 現代政策学部 教授、

倉成正和(くらなり・まさかず)先生の授業でした。

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先生がMIT=マサチューセッツ工科大学に留学され、

AT&Tの分割・民営化について研究されていたのが

1970年代。

以後、現代に至るまでの40年ほどの間に、

日本の情報技術も後発ながら目覚ましい進歩を遂げています。

しかし、一般的な市民レベルの生活を軸に考えますと、

どこかのタイミングで、

情報技術の前進する速度が

私たちの思考や心が追いつけるスピードを遥かに上回り、

追い抜かれ、置いてきぼりになった感が否めません。


9.11の同時多発テロに見舞われたアメリカでは、

直後に愛国者法が発効され、

テロの防止に繋がりうると判断される場合には

捜査令状なしに監視可能な社会となりました。

重大な事件の防止・抑止に繋がるのであれば、

あらゆる可能性を視野に捜査を行うのが、

国民の生命・財産を守る国家の大義だという理屈は理解できるのですが、

個人情報の流出や、職域を超えた情報の使用、誤認逮捕など、

国民を傷つける可能性も伴うだけに、

不安は消えません。


情報技術の革新競争が時を重ねるほどに加速し、

しかも、そうした競争の終わりが見えない現代に生きる者として、

一方で、

教育や倫理的思考の大切さを見直し、実践することも重要。

様々な流行や商法が、発起しては消える中、

時流を超えて変わらない真実を、

周囲の人たちと共有し、次の世代へ伝えていくことこそ、

私たち市民の矜持なのかもしれません。

                  石川真紀


番組日記 | 2014年3月 2日 08:00

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