林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

1月10日(日)'250円'で手にしたもの

2016年のお正月、いかがお過ごしでしょうか。

本年も、当番組を、どうぞ宜しくお願いします。

 

新年最初、今週の授業は、

城西国際大学 環境社会学部教授、

深沢 茂樹(ふかさわ・しげき)先生の授業でした。

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環境科学、環境教育、ボランティア論などをご専門とされる

深沢先生。

これまで環境問題に関する判断基準として、

歴史年表や環境時計が広く知られてきましたが、

先生の授業では昨今、

お金に換算した表現方法を採用し、学生さんたちの関心を強く惹きつけているとのこと。

例えば、

地球の歴史46億年 = 46億円、

ゴキブリの歴史3億年 = 3億円、

人類がエネルギーを得て発展し始めてから、250年 = 250円

...といった具合に。

産業革命以降、わずかな時間的価値で大変革してきた人類にとって、

今、こうした ' 発展 'が、

未来に誇れる成功だったのか、

あるいは、取り返しのつかない失敗だったのか、

しっかりと見据え、

後世に負の遺産を残さない努力が急務となっています。


その1つにして重要な例が、節水。

地球上の水のうち、97.5%は海水で、

あとの2.5%のうち、大部分は永久凍土や氷河、地下水の為、

日常的に使える淡水は、わずか0.01%程度。

さらに、

山の森林に降り注いだ雨が地下水として汲み出されるまでには、

100年単位の長い時間がかかると言い、

私たちが生きる上で欠かせない水の

ありがたさを思い知らされます。


また、私たち日本人は、毎日、入浴する習慣があり、

衛生水準が高い為、感染症が伝わりにくい利点もあるものの、

入浴の世界平均、週1~2回程度に比較すると、

圧倒的に水を使い過ぎています。

他方、輸入を通じて、世界中の淡水が少ない地域の農産品・商品を使い、

間接的に水を使い過ぎている側面もあるのだそうです。


地球的規模の大きな価値基準に立つと、

一個人には

とうてい力が及ばないように思えますが、

千里の道も一歩から。

意識することで、すぐにでも始められ、

その意識を向上させることで、続けられる環境活動は、

私たちの暮らしの中にあるのだと、

改めて気づかされる授業でした。

                  石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
   Someday Soon / Judy Collins


番組日記 | 2016年1月10日 08:00

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