林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

10月8日(日)刻むトーテムポール

今週も、

城西国際大学 メディア学部 准教授、

高桑真恵(たかくわ・まさえ)先生の授業。

 IMG_3251-thumb-240x240-106469.jpg

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は、人体クロッキーの資料として、

ある学生さんが、練習し始めたばかりの初期の頃の作品と、

3時間×10コマの授業を重ねた後期の作品をお持ちいただき、

見比べることから授業が始まりました。

初期には、単純線で平面的な描き方でしたが、

後期の作品では、メリハリのある引き締まった人体が表現されています。

では、なぜ、この学生さんは、上達したのでしょうか?


クロッキーの3つの要素として、

骨格、筋肉、軸が挙げられると、

高桑先生は仰います。

人体に限らず、自然界にあるものは全て湾曲していると知ること。

             ↓

外観よりも、内部構造を先に理解する方が、上達が速いこと。

             ↓

骨格や筋肉に関する情報を得た上で、軸をイメージする、

つまり、見えないものを見ること。

...こうしたプロセスを経ることで、

クロッキーの腕を磨くことができたと考えられます。


正蔵師匠も仰っていましたように、

見えないものを見るという概念は、

人を観察する時に通じるものですし、

外見は内側によって形作られるものであることを、再認識します。


私が小学校高学年の時の担任の先生は美術がご専門で、

自由時間にクロッキーを体験したり、

放課後にトーテムポールを制作したことも。

物静かながら威厳のある先生は、細かいことを何も仰いませんでしたが、

もしかしたら、

見えないもの、触れられないものの大切さと、

同級生たちとの共通体験の尊さを、

教えようとしてくれていたのかも。

母校の校庭に飾ってあるトーテムポールを見上げるたびに、

今の私を形作っている様々な経験に、思いを馳せます。

                    石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
  Bad Day / Daniel Powter


番組日記 | 2017年10月 8日 08:00

≪ 10月1日(日)味わい | 番組日記 一覧

Copyright © Nippon Cultural Broadcasting Inc.All right reserved.