林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

10月18日(日)遺志の真意とは

今週も、

城西国際大学 看護学部 准教授、

高柳千賀子(たかやなぎ・ちかこ)先生の授業。

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今回は、在宅での看取り方について、

本人と周囲の心構えのお話から始まりました。

先生も、ご主人のお父さまを看護・介護されたご経験から、

特に家族など周囲の人々は、

とにかく、肩に力を入れずにいてほしいと、呼びかけていらっしゃいます。

在宅で過ごすことで大切なのは、

あくまでも、

行ってきます、ただいま、といった会話の一員で居続けられるとか、

生活音が聞こえるとか、そうした何気ない日常。

つきっきりでお世話をしなければと、

重荷に捉えてしまうと、

誰よりも本人が一番、

居心地の悪さを感じてしまいかねないからなのだそうです。


一定期間に限られたことでなく、

長期に及ぶ可能性を考えると、

' 分担とリラックス ' が重要とのこと。


そして、話題は、

昨今、浸透しつつある

エンディングノート、エンディングトークにも及びました。

正蔵師匠は、

「トークだと、その場で、お互いの出来ること、出来ないことを話せるが、

 ノートだと、出来なかった時に心苦しい」

とお感じになっているようです。

この思いに、先生は、

「エンディングノートを遺した本人は、

 100%そのとおりになるとは思っていないはず」、と。

最期は、本人も含め周りが作っていくもので、

エンディングノートは、本人の死後、

周囲が揉めるような事態に陥った場合、

引っ張りだせばいい、

その程度と心得るので良いのでは、とのことです。

最も尊重されるべきなのは、

本人と周囲がお互いを思い合ってきた過程であり、

思いどおりにならない何かが起きても、

まずは声に耳を傾けたり、意図を汲んだり出来ていれば、

長く禍根を残すような事態にはならないような気がしています。


究極的には、

何かを決めなくてはならない時、

その決定を、あなたが決めたことなら受け入れましょうと共有できるのが、

家族というものなのでしょう。

                  石川真紀


番組日記 | 2015年10月18日 08:00

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