2月25日(日)道が放つ光
今週も、
学校法人 城西大学 水田記念博物館 大石化石ギャラリー 学芸員、
宮田 真也(みやた・しんや)先生の授業。
今日は、シーラカンスのお話でスタート。
現在も、インドネシアやインド洋の一部で生息が確認されているものの、
太古の昔にはあった肺が、現生のシーラカンスは退化しているとのこと。
肺を持たなくなったのは、
外敵から身を守ろうと住処を深海に移したことが理由なのだそう。
とは言え、他は、ほとんど変わっていないのと、
シーラカンスを魚に分類するか、違う種類に分類するかで、
生物の進化の過程や、他の生き物たちとの関連性も様々に解釈できる為に
生きた化石と呼ばれるということを、
より深く理解させてくださる解説でした。
そして、後半は、
宮田先生がお持ちのお宝私物の中から。
今回は、とある恐竜の下顎の化石のレプリカをご持参くださいました。
(上の写真で、先生がお持ちになっています!)
長さ約40㎝、ずしりと重く、
一見、高級な鰹節にも見える代物の持ち主は、
パラサウロロフス。
体長10m以上、頭に共鳴管の役目を持つ鶏冠を有するのが特徴で、
草をすりつぶす為に、顎が発達し、
大量の替え歯が花びらのように連なっています。
今日の授業でもキラリと光ったのが、宮田先生の言葉遣い。
生き物たちの躯や化石を' ご遺体 'と、
パラサウロロフスの化石のレプリカを紹介する際には、
' この子 'と表現される所以をお訊ねしますと、
宮田先生は「恩師にならって」と即答されました。
希望する道を進み、生業とする以上、
先達や同僚、関係者に敬意と感謝を忘れずに居続けることが大切で、
そうした姿勢は、
ライフワークとして取り組む対象についても同様。
自分に与えられた時間のうちに得られる結果が、
どんなに小さいものであったとしても、
真摯に向き合うことで、
努力が実を結んだことを実感し、生命の光が受け継がれていくことでしょう。
石川真紀
番組日記 | 2018年2月25日 08:00
2月18日(日)悠久の岐路
今週は、
学校法人 城西大学 水田記念博物館 大石化石ギャラリー 学芸員、
宮田 真也(みやた・しんや)先生の授業でした。
地質古生物学がご専門で、化石博士としてもご活躍中の宮田先生に、
今回は、
' 化石の不思議 'をテーマに、お話しいただきました。
世界で初めて発見された恐竜の化石は、
イギリスの医師、マルテル、あるいは、妻のメアリーが発見した
イグアノドンの歯の化石とされ、
1820年頃のことと言われています。
化石を発見し、同定され、世界的に認められるには、
多くの人々や組織が関わる為、
最初に見つけた人の名前が恐竜に名づけられることは、皆無に等しいのだそう。
イグアノドンの歯の化石を最初に見つけたのが、
妻のメアリーだったとしても、
当時の時代背景等を鑑みると、
男性で、より社会的地位があったであろう夫のマルテルの名が後世に残り、
かつ、
発見された骨の持ち主である恐竜の名前が、
国際動物命名規約に準ずる形でつけられる経緯を想像すると、
当の恐竜も、絶命後のあまりの騒ぎに当惑するほどでしょう。
恐竜が、古今東西、人々の心をとらえて離さないのは、
恐竜たちが絶滅したとされるのが6600万年前と大昔であること、
また、
その6600万年前に、10km大とも言われる巨大な隕石が地球に衝突したこと、
そして、
そもそも、恐竜たちが、現代には在り得ない巨大な生物であったこと、
そうした人知を超える要素に畏敬の念を覚え、
どれだけ探究したとしても、し尽くすことができないから。
悠久の歴史において、
地球規模、宇宙規模で、
計り知れない事態に見舞われた時には、
きっと、
絶滅した方にも、生き延びた方にも、
然るべき理由、そうなった使命が、
確実に存在するような気がしてなりません。
時代が進むほど、
人為が自然を超えることなど決してないのだと、
思い知らされます。
石川真紀
【 ON AIR MUSIC 】
More Than a Feeling ( 宇宙の彼方へ ) / Boston
番組日記 | 2018年2月18日 08:00
2/18・25(日)ゲストの先生は・・・
2月11日(日)出たとこ勝負!
今週も、
城西国際大学 学長、
杉林 堅次(すぎばやし・けんじ)先生の授業。
今回は、
杉林学長ご自身の高校時代のお話から、
始めていただきました。
受験対策をとらず、
全科目を履修するスタイルの高校に通っていらした杉林先生曰く、
「今になってみると、全てを習うことができてよかった」。
学校によっては、
3年間まったく触れることなく卒業させる科目がある高校も少なくない中、
受験科目でなくても、ひととおり履修することで、
視座が増え、
また、
開けなかった扉がないことで、
自分の心の中の風通しをよくすることにも繋がるはすです。
今日の授業でたびたび出てきた、準備・対策という単語を目の当たりし、
我が身を振り返っておりました。
本来は、準備・対策が最終目標ではなく、あくまでも基礎であり、
準備・対策でととのえた基礎の上に立って、
自ら考えて行動する即戦力、即応力を身に着ける過程こそが、
教育であり、人材育成の意義だということを、
未熟な児童・生徒たちに自然と自覚させてくれるのが
学び舎だと感じます。
杉林先生が仰る
' 出たとこ勝負 '、 ' 行き当たりばったり 'というのは、
正攻法も近道もない、総合力の象徴なのでしょう。
守ることも、突破することも、どちらも大事ですし、
当たり前のことを習得するだけでなく、
自分にしか出来ない何かを模索することも、
人生の醍醐味です。
今まさに、受験期間中の方も、
一定の結果が得られた方も、
どんな時も通過点ととらえて、
誰にも模倣しえない
自分だけの人間力を高めてまいりましょう。
石川真紀
【 ON AIR MUSIC 】
Shout To The Top / The Style Council
番組日記 | 2018年2月11日 08:00
2月4日(日)役に立つか、立たないか
今週は、
城西国際大学 学長、
杉林 堅次(すぎばやし・けんじ)先生の授業でした。
2005年3月以来のご登場となる杉林学長。
ご自身の大学時代の出会いから、
近頃の学生さんたちについてお感じになることまで、
じっくりとお話しいただきました。
一般的に、
10代~20代という大事な時期を過ごす大学時代。
早い時期に異質なものに触れることの重要性を、
杉林先生は説いていらっしゃいます。
言語や文化、生活環境、考え方が異なる人たちと
積極的にコミュニケーションを持ち、
理解し合うことで、
その後の人生に、必ずや、よい影響をもたらすはず。
自分と似た境遇の人、
考え方や趣味が近い人とだけのコミュニケーションは、
一定期間、楽に過ごすことが出来るかも知れませんが、
10年後、20年後の自分を狭めてしまう可能性があり、
かなり、もったいない気が...。
この人とは合わないな、
考え方が違うな、
話がかみ合わないな、と思い知り、
' 免疫 'をつけることが大切で、
何も、合わない人と、無理に距離を縮める必要はないと思っています。
杉林先生が学生時代に出会った方々の、なんと個性豊かなこと。
薬学部生でありながら、文学について熱く語るA学生。
トランプを使った暗算が得意なB学生。
同級生にして年上のC学生。
分厚い英語のテキストを配布し、
翌日までにレジュメを提出するよう課したD先生。―
50年ほど前の出会いが、杉林学長の心に今も根差し、
折に触れて、その多様性に感化される逞しさこそが、
中学や高校でもない、社会に出てからでもない、
大学時代に培われる養分の効果に思えます。
意外と役に立つか、やっぱり役に立たなかったか、
その答えが出るのは、ずっと先でよいのでしょう。
石川真紀
【 ON AIR MUSIC 】
Tell Her About It ( あの娘にアタック ) / Billy Joel
番組日記 | 2018年2月 4日 08:00
林家正蔵 プロフィール
本名<海老名泰孝・えびなやすたか>
1962年12月東京根岸生まれ。
1978年4月
高校入学と同時に林家こぶ平として落語協会に所属。
1981年5月
二ッ目昇進。
1987年5月13日
真打試験合格。最年少で13人抜き昇進。
1989年3月18日
浅草芸能大賞 新人賞受賞。
1990年6月
国立花形演芸大賞古典落語金賞受賞。
2005年3月21日
九代 林家正蔵 襲名。
2005年9月
城西国際大学人文学部客員教授就任。
2005年12月
浅草芸能大賞 奨励賞 受賞。
【映画声優出演】
「うしろの正面だあれ」
「平成狸合戦ぽんぽこ」など
【TVドラマ出演】
TVドラマ「天うらら」・「お美也」など
その他、TV番組司会などメディアに多数出演
【著書】
角川書店「お江戸週末散歩」
集英社「落語いってみよう、やってみよう」
岩崎書店「林家正蔵と読む落語の人びと、落語のくらし」など、他多数。
林家正蔵オフィシャルサイト「蔵の塩梅」 http://www.sanpeido.com/shozo/
石川 真紀(いしかわ まき)
文化放送アナウンサー
4月16日生まれ、秋田県出身。早稲田大学卒業、A型。
プロフィールページ http://www.joqr.co.jp/announcer/ishikawa.html
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