林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

5月28日(日)生き、そして、生かされ

今週は、

城西国際大学 環境社会学部 教授、

川口健夫(かわぐち・たけお)先生の授業でした。

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今回のお話の入り口は、フェロモン。

多くの哺乳類は、嗅覚によって異性を識別し、

オスは、相手が妊娠可能かどうか、判断する一方、

人は、およそ10万年前を境に嗅覚が衰え、

服装や体形など見かけで、性別を識別するようになったのだそうです。


先生がご紹介くださった研究の中で特に感慨深かったのが、

オランウータンの事例。

つがいのオランウータンを飼育する とある動物園で、

オランウータンに繁殖行動のビデオを見せたものの、

相手の匂いに興味を持つことも、まして繁殖行動に移ることも、

なかったのだとか。

飼育されている個体だからなのか、

視覚を使って学習することが困難だからなのか...、

理由は定かではありませんが、

オランウータンの中には、

本能だけで生きているのではない個体も存在することが、垣間見られる事例です。


人として生きていると、

理性でコントロールできるところと、

好き嫌いが無条件に分かれてしまうところ、

我が心と身体にも、両方が共存していることを実感しますが、

空気のにおいから季節の移ろいを感じたり、

空腹時に欲する食べ物を摂取したり、

生きていると自覚するだけでなく、

生かされていることも思い出しながら、

日々を過ごしていたいと思う授業でした。

                    石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
   I Wish / Stevie Wonder


番組日記 | 2017年5月28日 08:00

5月21日(日)待合室の、あの表示

今週も、

城西国際大学 看護学部 助教、

高田良子(たかだ・りょうこ)先生の授業。

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医療機関を受診する時、

受け付けや待合スペースでよく見かける、

「症状や診療内容によって、

 順番がかわる場合があります」という表示。

初診・再診を問わず、

看護師さん方は、待合スペースにいる患者さんの様子を見て、

発熱や脱水症状、呼吸器疾患の有無を察知し、

適宜、

診察の順番を繰り上げるかどうか

判断しているのだそうです。

自分としては、痛かったり、苦しかったりして、

症状が重いと自覚していても、

緊急度が自分よりも高い人がいるということですから、

そうした医療機関の対応を知っておくと、

診察を受ける側の私たちも

安心材料が増える気がします。


今日の授業で触れた、

#8000の小児救急電話相談や予防接種を含め、

家族の年代や状況に合わせた対応の仕方を、

日頃から確認しておくことが大切。


いつもと違うことが起きると、

慌ててしまいがちですが、

何かあっても大丈夫、と安心して暮らせるように、

信じて頼れる社会を作っていきたいですし、

困った時、

信頼に応えてくれる社会システムであってほしいと

切に願います。

                    石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
   CACHITO / Nat King Cole


番組日記 | 2017年5月21日 08:00

5月14日(日)母のような・・・

今週は、

城西国際大学 看護学部 助教、

高田良子(たかだ・りょうこ)先生の授業でした。

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先生のご専門である

外来看護を始めとする小児看護学について、

豊富なご経験をもとにお話しいただきました。


初診の場合、

既往症を含む これまでのこと、背景、家族構成、家庭環境などを

看護師さんが中心となって聞き出し、

帰宅してから看護できるようサポート。

複数回通院し、かかりつけ医になることで、

緊急事態への対応や電話での問い合わせも可能となり、

次第に身近な、親しい間柄になっていくことが多いそうです。


特に配慮していらっしゃるのが、

患者さんやご家族が、重い病について告げられる場面。

規模の大きい病院の場合、

重篤な病名と治療・処置について説明を受ける機会があり、

看護師さんは、患者さんやご家族が、

どのくらい動揺しているか、しっかり受け止め、理解できているか、

診察室や待合スペースなどで必ず立ち会い、寄り添うよう、

心がけていらっしゃるとのこと。

小児科の場合、さらに、

親御さんが先に告げられる場合が多く、

患者本人であるお子さんに、

どう説明し、

治療や処置に臨んでいくのか、

様子を見ながら相談に応じるよう

努めていらっしゃるのだそうです。


近年では、

女性も男性も従事していらっしゃる看護師さんというお仕事。

「看る」という言葉には、

気を配る、世話をする、

という意味が込められていることを再認識しながら、

性差を超越して' 母のような心 'を胸に接してくださっている看護師さん方に、

感謝の気持ちを新たにしています。

                    石川真紀


番組日記 | 2017年5月14日 08:00

5/28・6/4(日)ゲストの先生は・・・

城西国際大学 環境社会学部 

教授  川口健夫(かわぐち・たけお)先生


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先生には、これまで"香り"についてお話を伺ってきました。
今回も香り・・・言い換えて"臭い"について聞いていきます。
動物の持つ習性、人にとって本当に危険な臭いなど、身近なところにあるもので分かりやすく解説していただきます。

| 2017年5月11日 14:38

5/14・21(日)ゲストの先生は・・・

城西国際大学 看護学部
助教  高田 良子(たかだ・りょうこ)先生
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先生は、看護学の中でも「小児看護学」を専門に学生の指導にあたっております。

特に小さいお子さんを持つお母さんは、子供病気に対して気をもむことが多くあるかと思います。
そんな時、近くで話を聞いてくれる看護師さん達の存在は、とても心強いもの。


今回は、外来看護を始め小児看護の現場についてお話を伺います。


 


| 2017年5月11日 14:21

5月7日(日)管が成す身体

今週も、

城西大学 薬学部 准教授、

内田博之(うちだ・ひろゆき)先生の授業。

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今回は、「高齢化社会と小腸の働き」をテーマに、

お話しいただきました。


加齢、あるいは疾患、体調不良によって、

食事が上手く出来ない場合、

食べ物を直接、チューブで胃腸に流し込む

胃ろう・腸ろうと呼ばれる方法や、

血管へ点滴で流し込む方法がありますが、

医療の現場では、

可能なかぎり口からの食事を励行しているとのこと。

それだけ、口から食べるという行為が、

人の営みの根幹を成す重要なことであると、

再認識します。


また、

私たちの暮らしに、' 日常 'というものがあるように、

腸の働きにも日課があるというのも、

意外にして納得の事実でした。

加齢や疾患、体調不良によって食べられない、

食べる量が少ないという、やむを得ない事情の他に、

極度のダイエット、絶食、断食という選択をする人もいますが、

小腸にとっては、

定期的に入ってくるはずの食べ物が入ってこないことで、

働きがにぶり、

弾力が失われたり、軽くなってしまったり...。

長期化すると、さらには、

免疫力が低下して、

病気にかかりやすく、感染しやすくなるおそれがあるのだそうです。


このお話を聞いていて、

必要な栄養を摂ること、

バランスのよい食生活を心がけることは、

自分の身体に果たすべき責務なのだと、

遅ればせながら実感。

血液が血管を流れるように、

口から腸にかけての管には、

過不足のない食べ物、水分を

定期的に送り込んであげなくてはなりません。


成長期の子どもたちに充分な栄養が必要なのはもちろん、

大人である私たちも、

コンディションを維持する為に、

そして、かけがえのない腸の為に、

食べるという営みを前向きに捉えていたいと思います。

                    石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
   I Wanna Be Free(自由になりたい) / The Monkees


番組日記 | 2017年5月 7日 08:00

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