11月27日(日)共生が要する距離
今週は、
城西大学 経営学部 客員教授、
誉 清輝(せん・せいき)先生の授業でした。
当番組へのご登場が、およそ3年ぶりとなる、誉先生。
この間、1歳半と4か月のお孫さんに恵まれ、
教育の為にと引っ越しもされたとのこと。
境遇の大きな変化を受けて、
近頃、先生と正蔵師匠がお感じになることから、
今回の授業は始まりました。
お仕事では教壇に立ち、私人としてはお孫さんと接する中で、
誉先生は教育の大切さを、日々、実感していらっしゃるとのこと。
自然環境、美味しい空気、美しい景色、年中行事、
お隣り近所とのお付き合い...
住まいを変えることで生じる
メリットもデメリットも受け入れ、
先生のご一家にとって、
良い新生活のスタートとなっていることが垣間見られるお話でした。
誉先生が明かしてくださいました、
お嬢さんご一家と車で10分ほどの距離に住み、
すぐに行き来できる関係を構築している、とのエピソードに触れ、
当代の家族の在り方の
一定の理想形であることを実感。
近年、社会問題となっている独居老人や孤独死という胸の痛む案件は、
近所でお互いをサポートし合うことで、確かに解決できるはずです。
独り暮らし世帯が増えるのに比例して、
人と関わることの煩わしさばかりが目立つようになった昨今、
身内と言えども、距離感を適度に保ち、
お互いのライフスタイルを尊重し合うことが大切。
代々の歴史に学び、無用な衝突は、出来るかぎり上手に避け、
片側の思いを押し付けるだけではない、
大らかな関係を築くことが、
人と人同士、そして、ひいては、近隣の国・地域同士に
求められている気がしています。
石川真紀
番組日記 | 2016年11月27日 08:00
11/27・12/4(日)ゲストの先生は・・・
11月20日(日)成人とは、大人とは、人間とは・・・
今週も、
城西国際大学 国際人文学部 教授、
鈴木崇弘(すずき・たかひろ)先生の授業。
先週取り上げた、選挙権年齢引き下げに続き、
今週は、現在、検討されている成人年齢の引き下げについて、
教えていただきました。
成人年齢引き下げに関連する法令を、すべて変えるのか、
段階的に変えるのか、
そもそも、成人とは...。
鈴木先生が仰っていましたように、
成長過程の方と意識の高い方との差が拡大し、
両極端になっていることを、
様々な局面で実感すると同時に、
多様性の受け入れを推進している現代において、
年齢は言うまでもなく、性別、居住地域、家族構成、職業など、
単純なモノサシで線を引くのは難しくなっていることも否めません。
強いて言うなら、
年齢での線引きは、
与えられた時間が平等と考えると納得できますし、
一定の年齢をもって責任を生じさせることで、
人間として本質的に成長できるのも、また痛感するところ。
そして、先生が例として挙げられた
AI( =人工知能 )が自己学習して行う言動は、
果たしてメーカーの責任なのか、という観点も、
未知なる事象を想定してルールを作る行為が
いかに困難であるかを象徴しています。
すぐに答えが出ないことこそ、
考え続けなくてはなりませんし、
考える続けること、参加し続けることが、
民主主義の根幹を成すことも、
今回の授業で再認識できました。
石川真紀
番組日記 | 2016年11月20日 08:00
11月13日(日)紙と声
今週は、
城西国際大学 国際人文学部 教授、
鈴木崇弘(すずき・たかひろ)先生の授業でした。
政治分析のスペシャリストでいらっしゃる先生に、
今回は、
「 選挙権年齢の引き下げから見る、
国民の社会への責任 」をテーマに、
ご教授いただきました。
選挙権年齢が18歳以上に引き下げられて初の国政選挙となった
今年7月の参議院選挙では、
全体の投票率が54.7%となり、
年代別の内訳を見てみますと、
18歳が約51%、
19歳が約39%で、
20代が約30%だったのを考えると、
まずは投票用紙に記入し、投じるという行動を実践した18歳、19歳が、
それだけ存在したことの表れと評価されています。
選挙のたびに話題となるのが、
「 投票に行っても行かなくても同じ 」とか、
「 誰が当選しても、世の中、変わらない 」などの声。
個人の思いとしては理解できる部分もありますが、
鈴木先生が仰っていた、
「 投票に行かないということは、
現状を肯定してしまうことと同じ 」という言葉が
胸に刺さります。
民主主義とは、一度の選挙で有権者の声が届くものではなく、
1回1回の積み重ねであり、
面倒くさくも、遠回りとも感じられるもの。
つまり、自分の代だけのことではなく、
物事を長いスパンで見る視点が欠かせないということを、
有権者として心に留めておきたいですし、
候補者も、自分の任期にかぎって考えるのではなく、
相当な要職であることを自覚してほしいものです。
国会前などでのデモや、
学生団体、市民団体の運動が活発化している昨今、
選挙後の政権運営を危惧をもって注視する国民の存在が
いかに大きいかということが、
国内外に発信されています。
投票用紙には反映されない、声なき声、
静かな怒りを合わせて受け止める想像力が、
為政者には必要です。
石川真紀
【 ON AIR MUSIC 】
At Seventeen ( 17才の頃 ) / Janis Ian
番組日記 | 2016年11月13日 08:00
11/13・20(日)ゲストの先生は・・・
11月6日(日)原始の機能のメッセージ
今週も、
城西国際大学 環境社会学部 教授、
川口健夫(かわぐち・たけお)先生の授業。
香りを察知する嗅覚の神経は、
大脳の理性を司る部分を通らずに働く為、
不安や情動、おそれを感じる原始的な脳に刺激を与え、
感情、欲求に直接作用する性質があるとのこと。
正蔵師匠が、
お父様である初代・三平師匠の着物を久しぶりに出された際、
しみついた香りから、
お父様の思い出が瞬時によみがえったと仰っていましたように、
似たような経験は、きっと誰しも一度はあることでしょう。
古いアルバムをめくった途端、青春時代に戻ったり、
空気の匂いで季節の移ろいを感じたり、
初めて訪れた土地なのに、
街の匂いから、ふと懐かさを覚えたり・・・。
嗅覚、香りの記憶というものは、
人生を豊かにしてくれる重要な要素だと感じます。
そして、今回の授業の後半は、フェロモンのお話。
もともとは、
新生児期の四肢動物が、母乳を得る為、乳首の場所を知るのに必要な
鋤鼻器と呼ばれる器官が察知するもので、
人間の場合、成長に伴って鋤鼻器が退化してしまうと、
フェロモンを感じることは、ほとんどなくなるのだそう。
人間がフェロモンを感じるとすれば、
写真など、
視覚から受ける影響が圧倒的に大きいということがわかっています。
人間と同じ四肢動物の中でも、
オランウータンは視覚ではなく嗅覚で興奮するそうですし、
フェロモンの研究自体は、
昆虫に存在することが発見されたのが最初ということで、
理屈で説明しきれないことを、どこまで解明できるのか、
あるいは、後世に至っても、解明は難しいのか、
フェロモンの世界には、
生命の神秘へと繋がる、なかなか奥深いものがありそうです。
石川真紀
番組日記 | 2016年11月 6日 08:00
林家正蔵 プロフィール
本名<海老名泰孝・えびなやすたか>
1962年12月東京根岸生まれ。
1978年4月
高校入学と同時に林家こぶ平として落語協会に所属。
1981年5月
二ッ目昇進。
1987年5月13日
真打試験合格。最年少で13人抜き昇進。
1989年3月18日
浅草芸能大賞 新人賞受賞。
1990年6月
国立花形演芸大賞古典落語金賞受賞。
2005年3月21日
九代 林家正蔵 襲名。
2005年9月
城西国際大学人文学部客員教授就任。
2005年12月
浅草芸能大賞 奨励賞 受賞。
【映画声優出演】
「うしろの正面だあれ」
「平成狸合戦ぽんぽこ」など
【TVドラマ出演】
TVドラマ「天うらら」・「お美也」など
その他、TV番組司会などメディアに多数出演
【著書】
角川書店「お江戸週末散歩」
集英社「落語いってみよう、やってみよう」
岩崎書店「林家正蔵と読む落語の人びと、落語のくらし」など、他多数。
林家正蔵オフィシャルサイト「蔵の塩梅」 http://www.sanpeido.com/shozo/
石川 真紀(いしかわ まき)
文化放送アナウンサー
4月16日生まれ、秋田県出身。早稲田大学卒業、A型。
プロフィールページ http://www.joqr.co.jp/announcer/ishikawa.html
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