10/2・9(日)ゲストの先生は・・・
9月25日(日)ビジネスモデル化される、おもてなし
今週も、
城西国際大学 観光学部 客員教授、
梅原一剛(うめはら・いちごう)先生の授業。
先週来、たびたび話題に上っているキーワードが、
ホテルにおけるサービスとホスピタリティの違い。
言われたことに過不足なく、かつ適切に対応することがサービスなのに対し、
客のニーズや意思に、個別に応じるのがホスピタリティ。
例えるなら、
前者が標準的な建売り住宅、
後者は顧客1人1人のニーズやウィッシュを取り込んだ注文住宅、
という言い方もできると、梅原先生は仰います。
正解が1つではない物事について、
どれだけ客人の真意を斟酌した対応をするか、
スタッフ全員が適時、当意即妙に接遇できるホテルこそ、一流だと言います。
日本には、旅館の仲居さんや番頭さんが客人をもてなしてきた
伝統的な文化が根づいています。
これは、とても誇らしく、
1軒1軒の旅館を唯一無二の存在たらしめる素晴らしいものですが、
世界基準 ( =グローバルスタンダード )に照らして、
遜色のないもの、誰もが理解し、踏襲できるものにしていくことが、
今、求められているのだそうです。
言葉にしない思いや、奥ゆかしさ、
慮ったり、察したり、という機微を尊重してきた日本にとって、
あらゆることを可視化、顕在化し、
ビジネスモデル化するというプロセスは、
これまでの歩みと対極にある、困難な道に違いありません。
市場を広め、日本の良さを知らしめる為にも、
そうした変革が不可避なのは理解できますが、
まだ心が追いつかないというのが、正直な思いです。
そこで期待が集まるのが、
梅原先生が理事長をお務めのNPO法人 THE F.U.N.(ザ・ファン)の活動。
経営(マネジメント)と運営(オペレーション、サービス)、
それぞれのプロフェッショナルを育成し、
これからの時代、世界で活躍できる人材を輩出しようと設立されました。
本当の意味で良いホテルとは、
居心地の良い場所であり、カルチャーであり、エンターテインメントであり、
究極的には素敵な場所であるべき。
そして、
息の長い経済活動に、ホテルは重要な位置を占めるということを再認識して、
街づくり、社会貢献、地方創生などを
多角的に観察してみたいと思っています。
石川真紀
番組日記 | 2016年9月25日 08:00
9月18日(日)ロビーから広がる世界
今週は、
城西国際大学 観光学部 客員教授、
梅原一剛(うめはら・いちごう)先生の授業でした。
長年に亘り、土地開発の分野で活躍され、
現在は、ホテル業界活性化に向けて、
人材育成に勤しんでいらっしゃる先生に、
ホテル業界をめぐる現状と課題について、
教えていただきました。
「足し算でなく、かけ算。1つミスをすると、0になる可能性がある。」
梅原先生が仰った、ホテルのお仕事を象徴的に表す表現です。
他の商品・サービス・おもてなしが、
ほとんど満足できるものであったとしても、
何か1つ、利用客が不満と感じた場合、
全てが台無しになってしまう。
つまり、そこで働く人材全てに素晴らしさ、完璧さが求められ、
組織として全員が良くあるべきなのが、ホテルだということ。
利用客にとって非日常であるホテルでの時間が、
ホテルで働く方々にとっては日常であり、
いかに厳しい世界であるかが端的に窺えます。
世界的に見て、日本のホテルの位置づけが決して高くない現状においては、
訪米に倣って運営上のビジネスモデルを設け、
ムラのない全体的なレベルアップを図ることが求められているのだそうです。
そして、日本の国民にとってもう1つ大きな課題と言えるのが、
ホテルを文化の中枢に位置付けていくこと。
アメリカ・ニューヨークのプラザホテルや、
シンガポールのラッフルズホテルのように、
その街に暮らし、滞在する人々の生活の一部に存在し、
その街全体の魅力を向上させるのが、
文化としてのホテルです。
私たち日本人にとって、ホテルはとかく敷居が高く感じられますが、
先生が学生さんへのアドバイスとして仰ることを参考に、
まずは、ホテルのロビーに身を置いて、
人間観察をしてみたり、多様な物語に触れてみたりすることで、
自分自身の視野と世界を広げる契機となるのではないでしょうか。
石川真紀
【 ON AIR MUSIC 】
What a Wonderful World ( この素晴らしき世界 ) / Louis Armstrong
番組日記 | 2016年9月18日 08:00
9/18・25(日)ゲストの先生は・・・
9月11日(日)日本経済を支える矜持
今週も、
城西国際大学 経営情報学部 教授、
早田巳代一(はやた・みよかず)先生の授業。
今回は、日々のお買いものや預金金利、国債に至るまで、
日本人にとっての経済行動・経済観念についての授業でした。
かつての高度経済成長やバブル経済を経験した日本は、
現在、
低金利、低成長、不景気、経済格差が問題視されて久しい時代にあります。
これら諸問題の原点について、
早田先生が仰るのは、
「 買いたいモノがあるか、どうか 」だということ。
例えば、
冷蔵庫や洗濯機、炊飯器など、
日常生活に密着した家電製品、いわゆる白物家電を、
新規で購入する世帯が多かった頃は、
それだけ経済成長率も好調でしたが、
白物家電が広く出回り、
買い替える頻度が低くなった現代においては、
経済も停滞しがち。
こうした歴史をもとに、
むしろ、
「 今の経済状況が普通なのだと考えることが大切 」というのが、
先生の解説でした。
経済のほか、エネルギーや地球環境、
そして、人々の営みを包括的して文化ととらえながら、
これからの時代は、あらゆる分野において、
倫理的かつ持続可能な共生を追求する段階へと差し掛かっています。
このように考えることが出来るのは、
早田先生が仰るように、
日本の国民が勤勉で、余力のある日常を成り立たせているからなのだそう。
信用、矜持なるものは、1日にして成らず-
失いそうになっていることに、どれだけの人たちが気づき、
丁寧な暮らしの尊さを重んじていけるかに、
日本の未来、地球の未来がかかっています。
石川真紀
番組日記 | 2016年9月11日 08:00
9月4日(日)消費者が促す社会の成長
今週は、
城西国際大学 経営情報学部 教授、
早田巳代一(はやた・みよかず)先生の授業でした。
会計学、財務諸表論がご専門の先生に、
今回は、値段の真実にまつわるお話をご教授いただきました。
例えば、自動車のタイヤ交換を検討する際。
同じ商品でも、取扱い店舗によって価格が違い、
どれが適正価格なのか、どのお店で買うべきか、迷うことが多いもの。
先生は、ぜひ、製造年月日を見て判断してほしいと仰います。
タイヤの場合、表面に、ごく小さいながら4桁の数字で刻印されていて、
上2桁は、1月1日からの週を第1週として、何週目という週番号、
下2桁は、西暦の下2桁、
つまり、
2016年の1月第2週に製造されたタイヤは、「 0216 」と表示されています。
また、タイヤは、劣化すると横にヒビが出てくる為、
道路に接する面の山だけではなく、
側面もチェックが必要です。
タイヤを安全に使用できる期間は、
製造から3~5年と言われていますが、
お店の外に積んであって、日光に当たりやすい場合など、
劣化が進んでいる可能性も高く、
何より、
取扱い店舗の店員さんが、
タイヤの製造年月日まで把握しているかどうか、など、
商品、ひいてはお客さんを大切にしているかどうか、
そうした付加価値の高さも、
購買行動の判断材料にしてほしいとのことです。
早田先生が登場してくださった前回、
消費増税前の駆け込み需要が話題になっていた頃にも仰っていましたように、
私たちが、
「 そこに手頃な価格の商品があるから買う 」、といった
完全受け身の消費者から脱し、
能動的に考え、行動する消費者へと、少しずつでも成長していくことで、
商品・サービスの向上、企業の質的成長にも繋がっていくことを
再認識する授業でした。
石川真紀
【 ON AIR MUSIC 】
New York New York / Frank Sinatra
番組日記 | 2016年9月 4日 08:00
9/4・11(日)ゲストの先生は・・・
城西国際大学 経営情報学部
教授 早田 巳代一(はやた・みよかず)先生
会計がご専門の先生には、これまで 『値段の真実』 を中心に
電化製品や食品などの適正価格についてお話を伺ってきました。
今回も、『値段の真実』の事例や、私たちの預金に関するちょっとしたお話を伺っていきたいと思います。
どうぞ、お楽しみに。
| 2016年9月 1日 10:40
林家正蔵 プロフィール
本名<海老名泰孝・えびなやすたか>
1962年12月東京根岸生まれ。
1978年4月
高校入学と同時に林家こぶ平として落語協会に所属。
1981年5月
二ッ目昇進。
1987年5月13日
真打試験合格。最年少で13人抜き昇進。
1989年3月18日
浅草芸能大賞 新人賞受賞。
1990年6月
国立花形演芸大賞古典落語金賞受賞。
2005年3月21日
九代 林家正蔵 襲名。
2005年9月
城西国際大学人文学部客員教授就任。
2005年12月
浅草芸能大賞 奨励賞 受賞。
【映画声優出演】
「うしろの正面だあれ」
「平成狸合戦ぽんぽこ」など
【TVドラマ出演】
TVドラマ「天うらら」・「お美也」など
その他、TV番組司会などメディアに多数出演
【著書】
角川書店「お江戸週末散歩」
集英社「落語いってみよう、やってみよう」
岩崎書店「林家正蔵と読む落語の人びと、落語のくらし」など、他多数。
林家正蔵オフィシャルサイト「蔵の塩梅」 http://www.sanpeido.com/shozo/
石川 真紀(いしかわ まき)
文化放送アナウンサー
4月16日生まれ、秋田県出身。早稲田大学卒業、A型。
プロフィールページ http://www.joqr.co.jp/announcer/ishikawa.html
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