林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

7月31日(日)身体と歯の相乗効果

今週も、

城西国際大学 福祉総合学部 教授、

諸角一記(もろずみ・かずのり)先生の授業。

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今回は、

諸角先生が現在、主に研究に当たっていらっしゃる

「 身体機能と義歯の関係 」について、

入門のお話を聞かせてくださいました。


食べ物を咀嚼するのはもちろん、

踏ん張ったり、早い動き、強い力を出すのにも重要な役割を担うのが、歯。

これは、自分の歯と同じように、義歯に関しても共通することが、

先生のご研究を通じて判かってきているそうで、

噛む力が低下すると、

全体的に強い力が出せなくなる傾向があるのだそうです。


このことを体感できるのが、スタジオで展開されたユニークなテスト。

①着座して足を上げるのと、②立位でジャンプするのとでは、

どちらが、より歯に負荷がかかるか、というもの。

正解は、②。

先生の解説と、身体感覚から、

①では、比較的、腹筋や大腿部に負荷がかかるのに対し、

②は、ジャンプする前の予備運動から着地するまで、

食いしばっていることが実感でき、

その分、歯に負荷がかかっていることが分かります。


また、歯は、姿勢の面でも重要。

直立している人物を、横から見た場合、

自分の歯にしても義歯にしても、歯が整っている場合は、頭位が正常ですが、

歯が整っていない、あるいは、義歯を入れていない場合は、

頭位が下がり、姿勢が悪くなるとのこと。


私たちの身体を構成する全身の部位の中で、

どれも、一般的には必要でないものなどありませんが、

殊、歯に関しては、

消化機能の為にも、全身の運動機能やバランスを保つ為にも必要だということ。

今回の授業を受けて、

身体の健康と歯の健康の密接な繋がり、相乗効果を意識することができ、

これからの毎日が、より一層、バージョンアップしたものになりそうです。

                    石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
   Reminiscing ( 追憶の甘い日々 ) / Little River Band


番組日記 | 2016年7月31日 08:00

7月24日(日)日常を支える動作たち

今週は、

城西国際大学 福祉総合学部 教授、

諸角一記(もろずみ・かずのり)先生の授業でした。

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理学療法のスペシャリストでいらっしゃる先生に、

まずは、

「 理学療法と生活 」 をテーマに、教えていただきました。

理学療法は、リハビリテーションの中の1つの部門で、

病気・怪我・高齢により、痛みが出たり、運動機能が低下して、

障害となった場合、

症状を緩和して機能回復をはかり、

最終的には、QOL ( =生活の質 ) を高めようというもの。 


リハビリテーションと一言で言っても、

医師をチームリーダーに、

看護師、薬剤師、放射線技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士など、

多くのスタッフが関わり、

それぞれが役割を担っているのだそうです。

医療の現場が目指すものを端的に表現すると、

「 キュア( 治療 )からケア( 看護・介護・生活の援助・補助 )まで 」。

病院を退院して、日常生活を取り戻し、

その人らしい生活を送れるようになるまでの、それぞれの段階で、

適切な助言や指導、ケアをしてくださるのがリハビリテーションということになります。


リハビリテーションの過程で役割分担される、

理学療法士と作業療法士。

寝ている状態から、起き上がり、立って歩く、といった

基本動作を担当するのが理学療法士さん、

洗顔や着替えなど、身辺動作を担当するのが作業療法士さんと、

双方が協力して、状況の改善に努めていらっしゃるとのこと。

専門的には、基本動作と身辺動作に分かれる動作を、

私たちは日頃、無意識に行っていますが、

いつもと違う状況に身を置かれた時、

人の身体が、いかに緻密な動きの連携で成り立っているか、

実感するもの。


怪我をする場所として最も多いのが自宅とされる現実を考えますと、

日頃の何気ない動作も、当たり前とせず、

周りに気をつけながら、落ち着いて行動することの大切さを再認識する授業でした。

                   石川真紀


番組日記 | 2016年7月24日 08:00

7/24・31(日)ゲストの先生は・・・

城西国際大学 福祉総合学部

教授  諸角 一記 (もろずみ・かずのり)先生

 

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先生のご専門は、理学療法。

 

病気、けが、高齢などによる運動機能の低下で起こる "障害" 状態にある人に対し、

機能回復、日常生活の改善を図り、最終的にQOLの向上を目指すものが理学療法です。

 

今回は、"理学療法と生活"をテーマに

"機能の能力の低下"による障害の例や、改善に向けて行う動作についてお話を伺っていきます。

 


| 2016年7月20日 12:55

7月17日(日)馴染みの暮らし

今週も、

城西国際大学 看護学部 准教授、

高柳千賀子(たかやなぎ・ちかこ)先生の授業。

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今回は、前回のお話に続き、

老年看護における ' その人らしい生活 ' について、

さらに考察を深める回となりました。


老年看護は原則として、

◆安心、快適に過ごしているか、笑顔の表情・頻度などをみること、

◆尊厳 ( その人らしさ )

◆持っている力を保ち、呼び起こす ( 自立支援 )

◆安全で健康な暮らし

◆馴染みの暮らしの継続

・・・これらを尊重されているとのことです。


こうした考え方が必要になるのは、

その人がそれまでは出来ていたことが出来なくなった時。

体力や判断能力が下降気味に変化することによって、

以前は当然だったことがそうでなくなる、というのは、

多かれ少なかれ、誰にも起こりうること。

大切なのは、何か変化が起きた場合でも、

家族や周囲の人が、本人の気持ちに寄り添うことなのだそうです。


そして、昨今、注意喚起が広まっているのが、

老人性肺炎、いわゆる、誤嚥性肺炎。

広告などでも、予防の為のワクチン接種が呼びかけられていますが、

罹ってしまった場合、

早期発見が難しいことも、知っておきたいところ。

高熱や咳といった、わかりやすい症状が出ない場合もあり、

倦怠感、食欲不振、嚥下障害といった症状が出た人が、

肺炎と診断されるケースも少なくないようです。

家族や身近な人が、こうした変化や症状に気づき、

診察させてあげるようにすることが大切とのことです。


年齢や健康状態を問わず、

私たちの体には、いつ、どんな異変が起きるかわからないもの。

自分が、どんな生活スタイルで暮らしているのか、

周りと情報共有することは、

究極的には恥ずかしいことかも知れませんが、

いざという時のことを想像すると、自分の為にも、周囲の為にも、

ある程度、知っておいてもらった方が、スムースな気がします。

身内の繋がりも然ることながら、

社会との繋がりも大切な理由を再認識する授業でした。

                   石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
   How Deep Is Your Love ( 愛はきらめきの中に) / Take That


番組日記 | 2016年7月17日 08:00

7月10日(日)活かされる命

今週は、

城西国際大学 看護学部 准教授、

高柳千賀子(たかやなぎ・ちかこ)先生の授業でした。

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今回は、先生のご専門である老年看護について、

考え方や大事にされていることなどを教えていただきました


人の生活行動は、主に、

活動、休息、食事、排泄、身支度、コミュニケーションの6つで成り立ち、

このうち、

意思を尊重して、その人らしい生活を送ってもらう為に重視されるのが、

活動なのだそうです。

活動は、コミュニケーションとも関連し、

文化的な活動が健康寿命に与える効果の高さが注目されているとのこと。

高柳先生が仰っていましたように、

老年看護の現場において、

誰かと話したいから活動するという方が多い、ということや、

言葉で伝わることが多い、という現実を目の当たりにしますと、

人は、心を豊かに持つことと、周囲との繋がりを意識することで、

生かされ、また、活かされてもいるのだと、思い知らされます。


そして、

コミュニケーションを積み重ねる上で大きなヒントとなるのが、

我慢して、思っていることを言えないでいる人の方が心配、というお話。

例えば、お嫁さんへの不満など、率直に口にする人は、

お嫁さんご本人の受け止め方をケアする必要はあるものの、

本人の気持ちとしては、比較的、良い方なのだそう。

結果的に、自分の思いどおりにならなかったとしても、

本人がどう思っているのか、どうしたいのか、周囲が聞き取り、

共有することが大切とのこと。

このことは、年齢に関係なく、

家庭や職場、友人とのお付き合いにも共通し、

関わる複数の人たちの幸福感を生み出すような気がしています。

                   石川真紀


番組日記 | 2016年7月10日 08:00

7/10・17(日)ゲストの先生は・・・

城西国際大学 看護学部

准教授 高柳 千賀子(たかやなぎ・ちかこ)先生

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先生のご専門は、老年看護学。

これからの高齢者社会に向けて、今回は"老年期における看護"についてお話を伺っていきます。

高齢者がその人らしく健やかに過ごせるよう、制度の活用や家族の対応など一緒に考えていきましょう。

 

高齢者にとっての"良い環境"、あなたはなんだと思いますか?

 


| 2016年7月 4日 13:15

7月3日(日)世界が注目する桂木柚子

今週も、

城西大学 薬学部 教授、

真野 博(まの・ひろし)先生の授業。

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今回は、

柚子が再注目されている理由、最新のメニュー、今後の活動目標などについて、

伺いました。


先生方がコラボレーションされている埼玉県の毛呂山町、越生町、ときがわ町は、

もともと、日本最古の柚子の特産地として知られ、

主に東京の市場に向けて、桂木柚子として卸してきた歴史があります。

近年、同じく柚子の産地として広く知られる高知県馬路村には、

かつて、毛呂山町から柚子生産のノウハウが伝授されたそう。


その桂木柚子が一大ブランドとして再び注目されるようになったのは、

TPP=環太平洋経済連携協定に関する協議がきっかけだったのだとか。

フランスなど各国・地域の飲食業界が、

食材としての利用価値の高さに注目するようになったのだそうです。


こうした流れの中、

真野先生たちの研究チームでは、おととし2014年頃から柚子に注目し、

種や皮ごとペーストにした「タネまで柚子らん」を製品化。

一般的に使いやすくする為、お菓子やドレッシングに加工しています。

今回、スタジオにお持ちいただいたのは、

「タネまで柚子ゼリー」。

城西大学 薬学部 医療栄養学科 管理栄養士養成過程の皆さんが試行錯誤して、

タネまで柚子らんを2%使用した、

やさしい味わいのゼリーに仕上がっています。

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私も、以前、真野先生にご登場いただいた際、

「タネまで柚子らん」のペーストをお分けいただき、

自己流で料理に活用してみました。

お肉やお魚の煮込み料理が柔らかく、爽やかな味に仕上がりますし、

スムージーに入れてもよし。

ほろ苦い、甘苦い、柚子独特の風味が、大人向けな上、

しかも、健康と美容にも効果が期待できるとなれば、

これからの展開が益々、楽しみな逸品であります。

                   石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
   Baby I Love Your Way / Big Mountain


番組日記 | 2016年7月 3日 08:00

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