3/6・13(日)ゲストの先生は・・・
2月28日(日)かけがえのない時季
今週も、
城西大学 現代政策学部 准教授、
飯尾唯紀(いいお・ただき)先生の授業。
飯尾先生ご自身、
ハンガリー各地で一定期間、生活していらしたご経験があり、
また、城西大学にはハンガリーからの留学生が、
毎年、30人ほどいらっしゃるということもあって、
今回の授業では特に、
日本とハンガリーの共通点、
あるいは、
ここが違って驚いたというエピソードが
続々と披露されました。
日本とハンガリーに共通する文化として象徴的なのが、温泉。
紀元前、ローマ帝国時代から既に湧いていたという、
ハンガリーの温泉。
首都・ブダペスト市内には、
16世紀のオスマントルコ占領時代に建設されたドーム型の温泉施設が現存し、
男女別、
入浴用のエプロンを着用して入浴するのが
ハンガリー・スタイルなのだそうです。
逆に異なるのは、居酒屋。
ハンガリーの居酒屋は、ひたすらお酒を飲む場所とされ、
おつまみとしては、
ラードを塗ってパプリカをまぶしたパンが添えられる程度。
ハンガリーからの留学生が日本の居酒屋に初めて行くと、
供されるお料理の豊富な種類に、まず驚くそうです。
そして、将来の可能性を含めて、モデルケースの1つとなりうるのが、
消費税。
27%と、世界的に見ても群を抜いて高い税率のハンガリーでは、
食料品や、本、新聞などは低い税率に設定され、
乗用車を購入する際には高い税率を課すなど、
対象品目が分けられているとのことです。
中には、肥満を防ぎ、医療費を抑える為のポテトチップス税のように、
ユニークな税も導入されていて、
保守系与党が主流のハンガリーは、
政策面、経済面、健康面など、様々な面において、
自国との比較対象に適すると感じられます。
国際教育センターの副所長もお務めの飯尾先生が
今後の課題として挙げていらっしゃったのが、
日本から外国への留学を希望する学生の少なさ。
若い世代にしか経験できないこと、
後の人生の糧となる、かけがえのない時季の為に、
経済、語学、治安といった不安を少しでも軽減し、
日本の学生さん方にとって、留学が選択肢の1つとして、
より現実的になることを強く希望します。
石川真紀
番組日記 | 2016年2月28日 08:00
2月21日(日)時の世を成すもの
今週は、
城西大学 現代政策学部 准教授、
飯尾唯紀(いいお・ただき)先生の授業でした。
ハンガリー第2の都市・デブレツェンに留学され、
ブダペストの日本大使館で勤務されたご経歴をお持ちの飯尾先生に、
ハンガリーの文化や歴史について
入門のお話を伺いました。
中央ヨーロッパに位置し、
東から時計回りに、
ルーマニア、セルビア、クロアチア、スロベニア、オーストリア、
スロバキア、ウクライナと国境を接し、
首都・ブダペストを含む中央部をドナウ川が縦断するハンガリー。
羽毛やフォアグラを産する農業国で、
ハンガリー舞曲といったクラシック楽曲に代表されるように、
静かな情熱を秘めつつ、
恋愛感情が盛り上がるのは早いものの、ダメならすぐに離れたりと、
人生を謳歌する国民性があるようです。
1946年に王制が廃止され、
旧ソビエト連邦の占領下に置かれると、
やがて社会主義政策がとられるようになりましたが、
80年代後半には、ソ連のペレストロイカに伴い、
東ヨーロッパの共産党独裁が限界となり、
1989年、多党制による、現在のハンガリー第三共和国が成立。
ヨーロッパ社会への復帰を目指し、
資本主義へと移行した歴史があります。
国家の成り立ちや、政権運営は、
世界的な潮流という巨大なうねりの中では、
抗うことなど、到底かなわないものですが、
その時々の世を構成する人、1人1人の思いは、
古今東西、共通するところが少なくないもの。
現代のハンガリー社会において、
初対面であっても一度、言葉を交わすと
途端に心の距離を縮めることができるのは、
身近な人同士、支え合い、助け合い、
平和に、友好的に暮らす大切さを体現していることに
ほかなりません。
これまでなかなか触れる機会のなかったハンガリー。
来週も、より詳しく教えていただき、
より身近に感じたいと思います。
石川真紀
【 ON AIR MUSIC 】
TIME after TIME / Cyndi Lauper
番組日記 | 2016年2月21日 08:00
2/21・28(日)ゲストの先生は・・・
2月14日(日)'稼ぐ'か、'遊ぶ'か
今週も、
城西国際大学 経営情報学部准教授、
阿部信太郎(あべ・しんたろう)先生の授業。
今回は、
カジノ合法化をめぐる議論が進められる昨今の情勢を踏まえ、
ギャンブルに関する話題を取り上げました。
ギャンブル依存度に関する、あるデータを見てみますと、
日本は男性10%、女性2%と、平均5%が依存していて、
世界的に依存度が高い国とされています。
その理由としては、
外国のカジノが、アメリカのラスベガスなど、
もともと何もなかった場所に新設され、
日常生活とは隔絶して運営されているのに対し、
日本の場合、
公営ギャンブル、公営競技、パチンコ、宝くじ、スポーツ振興くじなど
身近に存在する為、
空き時間や居場所に困った際に立ち寄ったり、
息抜きの場所に使われたり、
日常化している実態があります。
ギャンブル依存の度合は、
駄菓子屋でのくじ引きや、ブロマイド、ガチャガチャといった
高揚感、収集意欲が刺激されるタイプのものに始まって、
↓
負けたら ( スッたら ) 取り返す、
↓
熱くなって、やらずにはいられなくなる、と、
一定の段階を踏んで進行していく傾向にあるようです。
こうしたギャンブル依存度の高さは、
SOGS ( =South Oaks Gambling Screen )という
スクリーニングテストを使用した調査に代表される
依存度チェックにより、
依存症の傾向にあるか否か、
ある場合、どの程度、深刻なのか推し量ることが可能とのことですが、
依存している人を、
家族や周囲の人が諭して、どうにかなるようなものではなく、
重要なのは、
本人が、今のままではいけないと自覚しないかぎり、
改善は難しいということ。
カジノ、ギャンブルが、
商業ベースのものである以上、
主催する側、取り仕切る側が圧倒的に優位であり、
また、
元来、遊興費と割り切って遊べる人の ' 遊び ' だということを、
まずは、きちんと知り、忘れてはならないのだと思い知る授業でした。
石川真紀
【 ON AIR MUSIC 】
Two Heart / Phil Collins
番組日記 | 2016年2月14日 08:00
2月7日(日)大恥、小恥
今週は、
城西国際大学 経営情報学部准教授、
阿部信太郎(あべ・しんたろう)先生の授業でした。
消費者政策がご専門の先生に、
消費者をめぐる諸問題について、解説していただきました。
昨今の筆頭は、振り込め詐欺。
警察等、役所が中心となって
防止を呼びかけるキャンペーンが繰り返されているものの、
被害件数は一向に減らず、
被害総額が巨額に上っています。
中でも特に問題視されているのが、高齢者の被害。
家族が留守がちだったり、1人暮らしだったり、
さらに、認知症の症状を持つ高齢者の方々が、
振り込め詐欺に加え、
訪問販売のターゲットになりやすい傾向があるのだそうです。
こうした高齢者の方々が犯罪に巻き込まれる理由は、
◆1人で寂しい中、話し相手になってくれて、良い人だと思い込んでしまう、
◆家族に叱られるからと、相談しづらくなっている、
◆家族や隣り近所の繋がりが希薄になっている、
...こうしたことが挙げられています。
被害に遭わない為には、
◆1人で判断しない、
◆すぐに判断しない、
◆留守番電話にしておく、
◆簡単にドアを開けない、
◆泣きつかれても、きっぱり断る、など、
自分自身で出来る基本的な行動が大切ですが、
身近な人同士、行政任せにせず、
自分たちのことは自分たちで守るという
助け合いの雰囲気作りが重要なのだそうです。
犯罪は社会の縮図とは、よく言ったもの。
自分の身に降りかかってみないことには、
他人事と捉えがちですが、
何か起きた時のことを想像し、
大事になる前に、
身近な人には何でも相談して
恥を小出しにしておきたいものです。
石川真紀
【 ON AIR MUSIC 】
Long As I Can See The Light ( 光ある限り )
/ Creedence Clearwater Revival
番組日記 | 2016年2月 7日 08:00
林家正蔵 プロフィール
本名<海老名泰孝・えびなやすたか>
1962年12月東京根岸生まれ。
1978年4月
高校入学と同時に林家こぶ平として落語協会に所属。
1981年5月
二ッ目昇進。
1987年5月13日
真打試験合格。最年少で13人抜き昇進。
1989年3月18日
浅草芸能大賞 新人賞受賞。
1990年6月
国立花形演芸大賞古典落語金賞受賞。
2005年3月21日
九代 林家正蔵 襲名。
2005年9月
城西国際大学人文学部客員教授就任。
2005年12月
浅草芸能大賞 奨励賞 受賞。
【映画声優出演】
「うしろの正面だあれ」
「平成狸合戦ぽんぽこ」など
【TVドラマ出演】
TVドラマ「天うらら」・「お美也」など
その他、TV番組司会などメディアに多数出演
【著書】
角川書店「お江戸週末散歩」
集英社「落語いってみよう、やってみよう」
岩崎書店「林家正蔵と読む落語の人びと、落語のくらし」など、他多数。
林家正蔵オフィシャルサイト「蔵の塩梅」 http://www.sanpeido.com/shozo/
石川 真紀(いしかわ まき)
文化放送アナウンサー
4月16日生まれ、秋田県出身。早稲田大学卒業、A型。
プロフィールページ http://www.joqr.co.jp/announcer/ishikawa.html
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