林家正蔵のサンデーユニバーシティ

文化放送

毎週日曜日7:30~8:00

5月31日(日)改革の波への備え

今週も、

城西大学 現代政策学部 助教、

望陀芙美子(もうだ・ふみこ)先生の授業。

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今回は、

農産物における日本の現状について、伺いました。


先生のご指摘によってハッとさせられたのが、

「食生活は、本来、保守的な行為」という考え方。

長期的には、例えば、

今まで米食がメーンだった人が、パン食中心の生活に変えるなど、

食生活を変革するには、3世代かかると言われているそうです。

中・短期的、つまり日常生活を省みても、

家庭料理・外食問わず、

食べ慣れた、口に合った食べ物を定番として食す傾向があり、

初めて見る食べ物や変わった味付けのものは、

もし美味しいと思えなかったら...と躊躇し、

なかなか選ばないのは確か。


食料自給率が、カロリーベースで4割に満たない日本は、

大豆や小麦といった主要な食材でさえも

大半を輸入に頼っているのが現状。

日本未上陸の食材や、国産神話の根強い食材の輸入をコントロールし、

保守的な行為である食生活を支えるのは、

まさに至難の業と言えます。


今後は、

JA ( 農業協同組合 ) の改革や、

TPP ( 環太平洋経済連携協定 ) の進み具合によって、

私たちの食生活に影響が及ぶ可能性が大いにあります。

国内の状況を見るかぎり、

ひとたび生じてしまった生産者と消費者の間の距離を、

もとに戻しつつ、よりよい形を模索している最中ですが、

生産者と消費者が一体となって

改革の波に備えることが望ましい時期に差し掛かっているのかも知れません。

                  石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
  If I Saw You Again / Pages


番組日記 | 2015年5月31日 08:00

5月24日(日)消費者ができること

今週は、

城西大学 現代政策学部 助教、

望陀芙美子(もうだ・ふみこ)先生の授業でした。

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先生のご専門が食と農の経済学ということで、

私たちにとって身近な直売所やスーパーなどの話題から

授業が始まりました。


自給自足の場合は、

生産者と消費者が同じか、あるいは、両者の距離が近いですが、

経済が発展すると、

生産者と消費者の距離が遠くなり、情報格差が広がる傾向にあります。

生鮮食料品、農産品に関する生産地や生産方法などの諸情報は、

生産者が豊富に持ち、

消費者は、そうした情報を求めて努力します。

一方で、

消費地や消費者のニーズに応じるのも生産者の資質による部分が多く、

かつて、

商店街の八百屋さんから

野菜や果物を購入するのが主流だった時代に立ち返るべく、

生産者と消費者の信頼関係が見直されているのを実感します。


今年4月からは、機能性表示食品制度が始まり、

食品に関する ' 情報 ' の信頼度が

改めて問われるようになりました。

情報も商品も、

私たち消費者は提供されたものの中から選択する

比較的弱い立場にありますし、

同じものを食しても、

保存状態や体調によって変わってくる面も。


食と農は、

日々の健康や生き方そのものを形作る源ですから、

少なくとも無関心・無頓着からは一歩踏み出し、

産地や旬、価格とのバランスを意識・注視し続けることが

大切だと感じます。

                  石川真紀


番組日記 | 2015年5月24日 08:00

5/24・31(日)ゲストの先生は・・・

城西大学 現代政策学部

助教 望陀 芙美子(もうだ・ふみこ)先生

 

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先生のご専門は、「食と農の経済学」

食料経済をミクロ的に分析しています。

 

この4月にスタートした『機能性表示食品制度』

特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品に続く新しい表示制度で、「科学的根拠に基づく健康効果(成分)を持つ食品について、各企業の判断で"機能性表示食品"に指定することができる」というもの。

これにより、消費者の私たちもより多くの情報を目にすることになります。

食の安全に注目が集まる中、消費者はどのように意識を持てばよいのでしょうか?

ぜひ、伺っていきましょう。


| 2015年5月18日 08:00

5月17日(日)社会を繋ぐ糸

今週も、

城西国際大学 薬学部 准教授、

中村 洋(なかむら・ひろし)先生の授業。

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今回は、

先生が製薬会社勤務時代に研究を手がけられた

痛風のお薬、

Topiroxostat( トピロキソスタット )のお話から始まりました。

創薬プロセスのうち、

第一段階である

世にまだない化合物の探索を専門とする

中村先生。

2013年に医薬品として承認されるまで、

研究には

およそ10年の歳月が流れたのだそうです。


未来の世の中を予測しながら、

実際に市販されるに至るかどうか定かでない研究を続けるのは

たやすいことではないはず。

しかも、

自分たちが世に送り出したお薬を使う患者さんと

直に接することはほとんどないようで、

薬剤師さんから

「 先生が創ったお薬、出てます 」と言われることで、

誰かの役になっていることを実感すると、

先生は仰います。


中村先生曰く、

「 1つの科目を突き詰めることが大切。

  その周りに色々なものが見えてくる 」-。

創薬に限らず、

1つの道を究めた方々に

ある程度共通する哲学という気がします。

創薬が、

化学と向き合い、

その先の、患者さんの思いに寄り添う職業であるのと同様、

きっと他のお仕事にも、

' 繋がり 'を大事にできる

想像力が必要不可欠。


社会を構成する1つ1つには、

それぞれに支え、支えられている

見えない糸が確実に存在していることを、

再認識する授業でした。

                  石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
  You Might Think / The Cars


番組日記 | 2015年5月17日 08:00

5月10日(日)一錠・一滴の願い

今週は、

城西国際大学 薬学部 准教授、

中村 洋(なかむら・ひろし)先生の授業でした。

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創薬化学・薬学教育がご専門の中村先生。

かつて、医師になることを志望していたものの、

薬学の道へ進むことを決意した学生時代、

ご自身曰く「挫折感を抱いた」とのこと。

そんな時、

再び奮起するきっかけになったのは、

「新薬を創ることができれば、

 医師が一生の間に診られる人数より

 ずっと多い人を救える」という

恩師の言葉だったそうです。


実際に新薬が誕生するまでは、

平均して10年~15年という期間と

数10億円~200億円規模の予算を要し、

しかも、

研究開発される中から晴れて

新薬として世に送り出されるものは、

日本で3万分の1、

外国では100万分の1というデータも存在するほど、

ごく一握りの狭き門。


基礎研究、非臨床試験、臨床試験(治験)、承認申請という

創薬プロセスを経る中で、

企業としては、

経営判断や特許出願など、様々な要素が絡む舞台裏も含め、

実に壮大なプロジェクトであると察することができます。


何年も先の世の中を予測しつつ、

広い世界のどこかで、誰かの役に立つことを信じ、

ひたむきに研究に従事する ―

お薬に込められた、その高い志に敬意を表します。

                  石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
  Touchin' The Wind / Dwight Twilley


番組日記 | 2015年5月10日 08:00

5/10・17(日)ゲストの先生は・・・

城西国際大学 薬学部

准教授 中村 洋(なかむら・ひろし)先生

中村03.JPG先生のご専門は、創薬科学です。

文字のごとく薬を作る仕事ですが、ひとつの薬が世に出るためにはとても長い年月がかかるそうです。

その中でも、先生は「探索」を担当されていたとか。

新しい物質を探し出して、薬のもとになる成分を作っていく・・・

その確率はいかに?!

 

薬が出来るまでのプロセスを伺っていきたいと思います。

 


| 2015年5月 4日 08:00

5月3日(日)男女、そして労使

今週も、

城西短期大学 ビジネス総合学科 教授、

蓼沼康子(たでぬま・やすこ)先生の授業。

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有史以来、日本の代表的な家族は、

家長である夫が外で働き、

妻は家を守るものと、役割が明確に分担されてきました。

それは、

企業・団体が、

社員の家族全員を雇用し、手当てしてきたもので、

大正時代半ば頃から、こうした形態が浸透し始め、

昇給を追い風とし、

高度経済成長期に一般化した経緯があります。


やがて、産業構造が移り変わり、

1986年、男女雇用機会均等法が施行され、

企業・団体が労働力として男女双方を必要視し始めたのに伴い、

男性も女性も働くことが前提という考え方が

次第に定着したようです。


男性も女性も働くことになったから、

家事・育児も分担することになった、と、

そうした必要に迫られた側面もあるのは事実ですが、

どちらかが、どちらかに任せきりにするのではなく、

1人1人が自立した社会人として

主体的な生き方をする時代になったのだと、

これまで蓼沼先生の授業を受けていて感じます。


一方、

労働者を雇用する企業・団体にとっても、

一時的なライフイベントの為に離職させてしまうよりも、

経験や人脈を持った優秀な人材を

時短勤務や育児休暇を取得させながら上手く活用する方が、

断然、有利なはず。


目先の実務、収益に追われがちなご時勢であることを痛感しつつも、

商品・サービスを

消費者は厳しくも温かな眼差しで見守っているということを、

企業・団体は忘れてはならないと思うのです。

人を財産として大切にする企業・団体は、

必ずや、人の心に届く商品・サービスを生み出すことでしょう。

                  石川真紀

【 ON AIR MUSIC 】
 
  Sugar , Sugar / The Archies


番組日記 | 2015年5月 3日 08:00

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