3/6・13(日)のゲストの先生は・・・
城西大学経済学部 准教授
小林哲也(こばやしてつや)先生。
小林先生は、産業経済論を中心に最近は、特に
「アジア経済論」を教えていらっしゃいます。
アジアは、このところ経済成長が目覚しく、特に中国は
2010年の国内総生産(GDP)が、
40年以上2位を守り続けてきた"日本"を抜いて
ついに世界第2位に躍り出るなど成長著しいものがあります。
経済成長を続ける中国はじめアジアの国々は、
日本が世界を相手に「もの」を売ろうとするとき、
強力な『ライバル』であると同時に、「もの」を買ってくれる
『魅力的なお客様』でもあります。
そうしたアジアの国々と、日本は、
どのようにお付き合いをしていけばいいのか?
日本の企業が世界の中で生き残っていくにはどうしたらいいのか?
興味深いお話を2週にわたり小林哲也先生に伺います。
今週のゲスト | 2011年2月28日 08:00
2/27(日) "みんなで"環境に取り組む
鈴木弘孝先生は、長年、国営の公園作りに携わってこられた他、
1990年の大阪・花の万博(国際花と緑の博覧会)や
2005年の愛知万博の国際博覧会プロジェクト、また、
さいたま新都心への国の行政機関の移転プロジェクトなど
数々の大きなプロジェクトに参画してこられました。
そして、公務員としての最後の5年間は、建物を緑化することが
及ぼす環境改善効果について研究されました。
確かに、屋上に庭園を作ったり建物の壁面につる性の植物で
緑のカーテンを作ったりすると効果はあるんだそうです。
このところのヒートアイランド現象は、都市部から緑や水辺などの
自然を排除した結果なので、
できれば国や地方自治体が「公園緑地」を沢山作ればいいのだけど
それは財政的にも難しい。
都市部の土地の4分の3は民有地なので、個人の家庭や
民間企業などで、建物の屋上や壁面を緑化すれば
<効率的に都市を緑化することができる>
と先生はおっしゃいました。
最近では、自動車や家電、住宅、その他細々とした商品まで
エコ(ECO)という名前のつくものが沢山出てきて、環境に
対する関心は昔とは比べ物にならないほど高まっています。
鈴木先生や私が学生だった時代は、工場から出る排水は
川に垂れ流し。工場から出る煙も遠慮会釈なく空にモクモクと
放出され、トラックは黒い煙を吐いて走ってました。
公害が全国的に問題となったその頃と比べると、雲泥の差。
国民レベルで環境に対する関心や意識が高まっていて、
気がつかないうちに日本も<大人になったな>と思います。
鈴木先生は、
『環境は、今や、国(行政)が作って与える時代ではない。』
とおっしゃいました。
一般市民の意識や行動力が高まっているので、
公園作り1つとっても、計画の段階から"国"と"地域の人"と
一緒に話し合うことが大事だと。
≪もう、国から与えられる時代ではない≫
国も、企業も、個人も"みんなで"環境に取り組む。
なるほど。
(これは、環境以外の問題でも言えることかもしれません)
最後に
『都市を緑化する際に大事なことは、そこで生活していた
野生生物と共存できる緑化、野生生物が生きやすい環境づくり
なんですよ!』
と言われたことも心に残りました。
野生生物が生きやすい、ということは、人間が生きやすい環境
であることを忘れてはいけないんですよね。
先生、ありがとうございました。
【今日の一曲】
ルート66 / ジョージ・マハリス
番組日記 | 2011年2月27日 08:00
2/20(日) 『国営公園』って、どんなもの?
鈴木先生は、旧建設省に入省してから30年にわたり
主に国の公園緑地を整備する仕事に携わるなど、公務員としての
生活が長かったせいでしょうか、実直そのもの、話し方も
大変穏やかな紳士です。
今日は、先生のご専門の『国営公園』のお話をいろいろ
伺って、改めて「公園って、そうやってできるんだ!」と
感心しました。
まず、国営公園は2種類あること。
㋑ 広域レクリエーション事業として設置される。
(ニーズの多様化に応じて)
㋺ 国家的な記念事業として、または、日本の歴史遺産を保存・
活用するために設置されるもので、閣議決定が必要。
ちなみに、㋺の公園は
●「昭和記念公園」(昭和天皇在位50年を記念した公園)
●「吉野ヶ里歴史公園」(吉野ヶ里遺跡の保存)
●「飛鳥歴史公園」(高松塚古墳や蘇我馬子の墓とされる
石舞台古墳などの保存)
~などがあります。
そして、先生のお話を伺っているうちに、この2種類の国営公園を
区別する言い方として、「イ号公園」「ロ号公園」ということも
なんとなく分かってきました。
さて、鈴木弘孝先生がこれまで手掛けてこられたのは
「ロ号公園」としては、明治100年を記念して作られた
東松山にある『武蔵丘陵森林公園』ですが、
その他は、ほとんどが「イ号公園」
●仙台の『みちのく杜の湖畔公園』
●愛知・岐阜・三重の3県にまたがる『木曽三川公園』
木曽川・長良川・揖斐川が合流する一帯で日本最大の国営公園。
●福岡の『海ノ中道海浜公園』
「漢委奴国王」の金印が出土した「志賀島(しかのしま)」と
陸地を結ぶ砂嘴(さし)を"海の中道"というそうで
そこに作られた500haを超える大きな公園。
●新潟県の長岡ニュータウンの近くにある『越後丘陵公園』
~など。
こうして並べてみただけでも、先生の公園作りは日本全国に及び、
自然環境を大事にしながら、日本の歴史的遺産を保護しつつ、
人々の心や体の健康作り、また、日々の娯楽や安らぎの提供などに
大いに貢献していらっしゃる、ということがよくわかりました。
『造園職』というお仕事は、スケールが大きくて
なかなか素敵なものですね。
今日のお話で、一番印象に残ったのは
国営公園作りには、大変な時間がかかる、ということ。
国営公園は規模が大きいので、
たとえば、完成目標300haの公園は、50ha、100ha
できたところで開園し、残りは順次整備していくんだそうです。
先生が担当した仙台の『みちのく杜の湖畔公園』も1989年に
開園しましたが、まだ半分ほど完成したにすぎない、というお話
にはビックリしました。
そして、最初に公園作りのプランを立ててから10年、20年
経つうちに国民のニーズも変わることがあり、公園作りの予算も
潤沢にあるわけではないので、必ず事業の途中で、
≪事業の評価見直し≫をやらなければならないというお話。
この事業を進めるべきか、やめるべきか、外部の人も交えての
≪事業の評価見直し≫が国の制度として義務付けられている点は、
とても重要なポイントで欠くことのできない制度だと思いました。
【今日の一曲】
ハーティング・パート / ルパート・ホームズ
番組日記 | 2011年2月20日 08:00
2/20・27(日)のゲストの先生は・・・
城西国際大学環境社会学部 教授
鈴木弘孝(すずきひろたか)先生。
城西国際大学の環境社会学部は、
去年4月に開設されたばかりの新しい学部。
鈴木先生は大学教授としてはまだ一年生ですが、
環境に関する知識や技術を実社会で生かす方法を実践的に
教えてくれるとても頼りになる存在です。
先生は、旧建設省に「造園職」として入省以来、公務員生活
およそ30年の大半を国営の公園作りに携わった他、
さいたま新都心への国の機関の移転プロジェクトや、愛知万博の
国際博覧会プロジェクトにも参加した経歴の持ち主です。
そんな先生のご経験から、
「自然との共生」や「都市の緑化問題」はもちろん、
「国営公園の出来るまで」といった普段滅多に聞けないお話まで、
2週にわたり伺います。
どうぞ、お楽しみに!
今週のゲスト | 2011年2月14日 08:00
2/13(日) ルールはきちんと守って!
市川直子先生のご専門は『憲法』。
市川先生は、なぜ憲法に興味を持ったのか伺うと、
『社会のルールはどうなってるか、という素朴な関心、興味から
法学部を選んだのだけど、"憲法"について知れば知るほど
面白くなり、全然わかってないなと自覚するにつれ
離れられなくなった』 そして、
『わからなければいけない、という使命感があった』そうです。
市川先生は、物静かなお嬢様然としたたたずまいですが、
<憲法を学ぶのは使命感!>というお話には力がこもり
毅然としていらっしゃいました。
最後に正蔵さんが、
「今の日本の社会は、先生にはどう映っていますか?」
と質問すると、
諸外国では、"約束"とか"契約"の概念が非常に強くて
契約を破れば、すぐ損害賠償の話になるのに対し、
日本の場合は、のらくらとして、いつの間にかうやむやに
終わってしまう。
<あまりにも法的なものが根付いていない>
<ルールがない!>
≪法とかルールとかきちんと守っていかなければいけません!!≫
と、先生の声はだんだん大きくなり、
力強くドン!とテーブルをたたくような勢いに圧倒されて
正蔵さんと私は、思わず『ハハァ~ッ!』と
テーブルにひれ伏してしまいました。
市川先生、あつい講義、ありがとうございました!!
【今日の一曲】
ハーティング・パート / ルパート・ホームズ
番組日記 | 2011年2月13日 08:00
2/6(日) 憲法について考えてみよう!
「憲法」について、私たちは普段あまり意識して暮らして
いませんよネ。
今日は、城西大学現代政策学部の市川直子先生と
学生以来、久しぶりに『日本国憲法』について考えてみて
あらためて私たちが「憲法」によって、いかにきめ細かく
守られているか、ということを実感しました。
まず、『日本国憲法』第1条は、「国民主権」を定めています。
「国民主権」とは、国の在り方、国の政治の在り方を最終的に
決定することができるのは国民だ!ということです。
これは、今まで当たり前のことと思ってきましたが、
改めて文字にしてみると、ありがたいこと、幸せなこと
なんですね。
そして、『日本国憲法』が世界に誇れる憲法と言えるのが
「平和主義」_第9条の(戦争の放棄)です。
これは、よく話題になり、問題にもなりますから、私たちが
一番よく知っている憲法といえるかもしれません。
さらに、『日本国憲法』が定めている三大原則の1つ
「基本的人権の尊重」については、市川先生は、
"日本の憲法は、とても頑張っている"と評価しています。
『日本国憲法』100条あまりある中で、「基本的人権の保障」
については、第10条から40条までを割いて細々と保障していて、
これは、とても頑張っていると思う、と市川先生はおっしゃい
ました。
でも、中に、先生が、この権利はちょっと使われすぎではないの?
と思うのが、「憲法13条の<幸福追求権>」だそうです。
この<幸福追求権>から、各人のいろいろな細かいシアワセが
引き出されてくるのですが、それぞれが、それぞれのシアワセを
追求すると議論が行き詰まってしまう_____
よく問題になるのが、
「タバコを吸う権利」と「タバコを吸わない権利」。
写真週刊誌のすっぱ抜きは「表現の自由」で、すっぱ抜かれた方は
「プライバシーの侵害」という、など。
全ての人が<幸福追求権>を主張したら議論が行き詰まってしまう
というお話には、なるほど、と納得しました。
それにしても私たちは「憲法」など意識せずに、自然にシアワセを
追求して生きていますけれども、あらためて「憲法」に
<幸福を追求する権利>まで書かれているのは、至れり尽くせり、
鬼に金棒だなと思います。
『日本国憲法』 私たちは大事にしなければいけませんね。
もちろん、改正すべきは改正しなくてはいけませんが、まず、
憲法を知ること、読んでみることが大切ではないでしょうか?
今回、市川直子先生がゲストにいらっしゃる、ということで
久しぶりに憲法を読んでみて、そんなことを思いました。
来週も、憲法についてご一緒に考えて見ましょう。
【今日の一曲】
come to me / ボビー・コールドウェル
今週のゲスト | 2011年2月 6日 08:00
林家正蔵 プロフィール
本名<海老名泰孝・えびなやすたか>
1962年12月東京根岸生まれ。
1978年4月
高校入学と同時に林家こぶ平として落語協会に所属。
1981年5月
二ッ目昇進。
1987年5月13日
真打試験合格。最年少で13人抜き昇進。
1989年3月18日
浅草芸能大賞 新人賞受賞。
1990年6月
国立花形演芸大賞古典落語金賞受賞。
2005年3月21日
九代 林家正蔵 襲名。
2005年9月
城西国際大学人文学部客員教授就任。
2005年12月
浅草芸能大賞 奨励賞 受賞。
【映画声優出演】
「うしろの正面だあれ」
「平成狸合戦ぽんぽこ」など
【TVドラマ出演】
TVドラマ「天うらら」・「お美也」など
その他、TV番組司会などメディアに多数出演
【著書】
角川書店「お江戸週末散歩」
集英社「落語いってみよう、やってみよう」
岩崎書店「林家正蔵と読む落語の人びと、落語のくらし」など、他多数。
林家正蔵オフィシャルサイト「蔵の塩梅」 http://www.sanpeido.com/shozo/
石川 真紀(いしかわ まき)
文化放送アナウンサー
4月16日生まれ、秋田県出身。早稲田大学卒業、A型。
プロフィールページ http://www.joqr.co.jp/announcer/ishikawa.html
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