亡き母へ
昭和4年生まれの母は、一昨年の10月に亡くなりました。漁師町から農家に嫁ぎ、お姑さんに仕えながら、私たちを一人前に育て上げてくれました。会社勤めをしながらの農作業は大変な苦労の連続だったと思います。農繁期には猫の手も借りたいほど忙しく、私も、兄や弟とお手伝いをしました。稲刈りで汗をかいた後、あぜ道で食べた梅干しのお握りの味は今でも覚えています。あのお握りには母の愛情がいっぱい詰まっていました。多趣味の母は民謡や大正琴、ゲートボールに精を出し、友人達の人気者でした。昨年は母の一周忌を済ませました。この「おんなの一生〜汗の花〜」を聴くたびに、母の笑顔が思い出されるのです。
愛知県額田郡幸田町の林孝子さん |