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デイリー「ホッと」トピックス

『「防災落語」が一冊の絵本に!』

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2019年3月11日(月) デイリー「ホッと」トピックス
『「防災落語」が一冊の絵本に!』


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東日本大震災から丸8年を迎えたということで、
今日は「防災」にまつわる話題をお届けしました。


1995年に発生した「阪神・淡路大震災」。
その「阪神・淡路大震災」を題材に「防災落語」という演目を3本作り、
長年、演じてこられた落語家の三遊亭京楽師匠が、自ら「防災落語」を
一冊の絵本にまとめられたそうです。


1995年、当時、すでに真打となられていた京楽師匠は、大学時代の同級生が
被災したという話を聞き、発生から2ヶ月後にボランティアとして神戸へ。


ぺしゃんこになった家やガレキだらけのなか、落語を上演。
それまでは大半の人が押し黙っていたが、いざ落語を披露すると拍手が
やまなかった。そのとき、"落語の持つチカラ"を実感した京楽師匠は、
以降、1年間で10回近く被災地に足を運んだとのこと。
 

そんななか、あることに気がついた京楽師匠。
それは「被災地以外の人は、震災のことをよく知らない」ということ。
そこで、阪神・淡路大震災により、被災地ではどんなことが起こって
いたのかを、創作落語を通して伝えたいと考えました。


まずは師匠である、今は亡き5代目・三遊亭円楽さんに相談。
すると師匠から「古典落語に出てくる八っつぁん・熊さんは、今で言えば
問題児。同じように鼻つまみ者の視点で描いてみれば」というアドバイスが。


そのアドバイスを受けて浮かんだのが、なんと「ゴキブリ」!
"嫌われ者"が、震災から復興していく人間に感心し、救命救護に飛び回る
噺にしようと考え、阪神・淡路大震災の翌年に「防災落語・ゴキブリの子守唄」
を完成。そして、それを基に作り上げたのが、絵本「ゴキブリの子守唄」。
ちなみに、絵も京楽師匠が描かれているそうです。


お話の内容としては、2匹のゴキブリが、それぞれ住み着いた家が阪神・淡路
大震災で被災したところから始まる。その後、家主の娘さんが通う小学校が
再開すると、自宅が崩れて亡くなった校長先生への追悼文が読み上げられる。
"最後の言葉が「子どもたちは大丈夫か」だったと聞いて、胸がいっぱいに
なりました。最後まで心配してくれて、どうもありがとう"


また、ゴキブリたちが病院に行った場面では、
"血が出ているのに、治療をしているお医者さん。足を引きずりながら、
一生懸命看病をしている看護婦さんがいました。自分のことだって大変なのに"


そして、物語の最後には、ゴキブリたちが人間を見直す。
"みんなの力を合わせて立ち上がるこの生命力、俺たちゴキブリも
見習わなくっちゃいけねーな"

......といったお話になっています。
ちなみに、こちらのお話は実話を基に作られているそうです。


また、巻末にはAEDの使い方をはじめ、何かあったときの応急処置の方法
なども掲載されています。


現在、アメリカ版を製作中で、ゆくゆくは世界中に届けたいとのこと。


なお、こちらの絵本は自費出版のため、書店などには置かれていません。
興味を持たれたかたは、三遊亭京楽師匠のブログなどをご覧ください。

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