『足立区の保育園の誕生秘話が短編小説に!』
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2019年2月6日(水) デイリー「ホッと」トピックス
『足立区の保育園の誕生秘話が短編小説に!』
足立区に「新田保育園」という、創立70周年を越えるとても歴史のある保育園があるのですが、
その園の誕生秘話が1冊の短編小説にまとめられ、話題となっています。
小説のタイトルは『どてのこたち』。
作者は、こちらの保育園に長女を預けるミステリー作家の柊(ひいらぎ)サナカさん(44)。
戦後まもなくの混乱期に、けっして当たり前ではなかった保育園を、
母親や地域の人が支えた歴史を描いています。
全6章・30ページで構成され、青空保育で始まった1947年から2代目の
2階建て園舎ができる1969年までを扱っています。
保育園ができたのは、1945年・夏に終わった太平洋戦争の傷痕が残り、
日々の食べ物にも困る時代でした。内職など仕事を探す必要があり、
子どもの面倒は見きれない母親も少なくありませんでした。
園のある地区は川に囲まれ、川べりで遊ぶ子どもが水難に遭う心配が尽きなかったといいます。
そんな母親たちの声から始まったのが青空保育でした。
しかし、園舎がないため雨になると保育できない。そこで考えられたのが、バスの仮園舎でした。
母親たちが地元企業に頼んで資金を集めて、都バスから廃車となった2台を
払い下げてもらったのです。
地主さんに借りた土地まで、およそ2キロを20日かけて人力で移した......
といったお話が描かれています。
作者の柊さんは、2017年に保育園の父母の会の代表を務めた際、
園長先生から当時の話を聞いて感銘を受け、園の資料や図書館にある足立区の水害史などを
調べて書き上げたのだとか。
こちらの小説『どてのこたち』は1冊300円で発売中。
著作権は父母の会に譲られており、売り上げは園の子ども達のために使われる予定とのこと。
なお、書店での販売や通信販売などは行っていないため、
購入希望者は直接、新田保育園までお問い合わせください。