『「世界を救うパンの缶詰」が児童書に!』
※放送終了後1週間しかお聴きになれません。
※詳しくはコチラをご覧ください。
2017年12月27日(水) デイリー「ホッと」トピックス
『「世界を救うパンの缶詰」が児童書に!』
しっとりとして軟らかいまま長期保存がきく「パンの缶詰」を通して、
国内外を問わず、災害などがあった場所への支援を続けている、
栃木県・那須塩原市のパン屋さん「パン・アキモト」の活動を描いた
児童書、「世界を救うパンの缶詰」が出版され、話題となっています。
「パン・アキモト」は1947年創業、今年で70周年を迎えました。
1995年の阪神・淡路大震災の際、被災地支援のため自社のパンを届けたものの
保存が利かず、半分以上が無駄になりました。また、乾パンではお年寄りや小さい
子どもには食べにくく、軟らかくて保存の利くパンがほしいという要望を聞き、
100回以上の試作を重ね1年半かけてパンの缶詰を開発しました。
パンの缶詰は現在、個人や多くの企業や自治体、学校が災害時の備蓄用に購入
していますが、三年の賞味期限後の処分に費用がかかるのが問題に。そこで、
「パン・アキモト」の秋元義彦社長は、期限一年前にユーザーに声をかけ、
古い缶詰を回収する代わりに新しい商品を割引で届ける方法を考えました。
そして、賞味期限の近づいた缶詰は海外で今すぐ食糧を必要とする人々に
届けることにしたそうです。
これを「救缶鳥プロジェクト」と名付け、宅配業者と提携して備蓄を回収する
ルートをつくった。このプロジェクトは「環境と社会によい暮らし」を支える
活動に贈られる「グッドライフアワード」環境大臣賞の最優秀賞にも選ばれました。
秋元社長を動かしたのは「大所高所に立ち、困っている人、社会のために」と
語っていた、創業者で父親の故健二さんの言葉だといいます。製作工程やシステムの
細かいところまで取材した著者の菅(すが)聖子さんは「初めての驚きをその
まま書きました。今まで本になっていなかったのが不思議」と語ります。また、
「お金を得るためだけに働くのではなく社会のため、困っている人のために
できることを考える。そんな秋元社長の姿勢にひかれるし、従業員も胸を張って
仕事をしていて他には、感じられないものがありました」とのことです。
菅さんは子どもたちに「少しでも社会のためにという気持ちを忘れず、仕事や
活動に生かしていけば、その先に誰かの笑顔が待ってますよ」と、この本を
通してメッセージを送っています。
こちらの児童書「世界を救うパンの缶詰」は、「ほるぷ出版」より、
税別1400円で発売中です。