『通信制中学を追ったドキュメンタリー映画が公開!』
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2017年4月24日(月) デイリー「ホッと」トピックス
『通信制中学を追ったドキュメンタリー映画が公開!』
戦中や戦後の混乱期に、中学校の課程を終えられなかった人たちが学ぶ
通信教育課程(通信制中学)、今、全国に何校あるかご存じですか?
文部科学省が把握している限りでは、大阪市立・天王寺中学と、
千代田区立・神田一橋中学の2校だけなんだそうです。
そのうちのひとつ、神田一橋中学の通信教育課程を追いかけた
ドキュメンタリー映画が公開になっているということで、
きょうは、そちらをご紹介しました。
映画のタイトルは「まなぶ 通信制中学 60年の空白を越えて」。
監督を務めたのは、映像ディレクターの太田直子さん。
大学で教育学を学んだ太田さんは、中学と高校の教員免許も持ち、
教育問題への関心が高かったことから、今回のドキュメンタリー映画の
制作を決めたのだとか。
映画では、戦争で父親を亡くし、中学一年生で家事手伝いとして働き
始めた女性など、6人の高齢者を追っていますが、ほとんどが家庭の
事情で義務教育を受けたくても受けられなかった人たち。
ある女性は「学校を出た人と、物の考えがずいぶん違うと感じていた。
ものすごく大人に見える。(自分は)中身が何もない」と本音を吐露。
学歴への劣等感を打ち消すように学ぶ、高齢者のありのままの姿が
描かれています。
監督の太田さんが、神田一橋中の取材を始めたのは2009年のこと。
最初は撮影を拒まれることもあったそうですが、カメラ片手に5年間
通い続けた結果、不快感を示していた人も次第に心を開くようになり、
自宅での取材も許されるようになったとか。太田さんは「深く付き合う
ことで聞ける本音を撮りたかった」と当時を振り返っています。
なお、1981年度のピーク時には、87人が修了・卒業したという記録が
残っていますが、対象者の高齢化が進み、生徒数は年々減少しており、
現在の在校生は4名。校長先生は「希望者がいる限り続けていきたい」と
話しています。
現在は横浜市の「横浜シネマリン」にて公開中。
今後、全国で順次公開予定となっています。
「学ぶ」ということの意義をあらためて感じることができる映画、
『まなぶ 通信制中学 60年の空白を越えて』。
ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか?