『Jeep ラングラー・アンリミテッド』
【眞善's EYE】
その車との出会いは、風の強い金曜日の午後だった。
寒さが柔らぎ春を感じるような瞬間がありつつも、
荷物が飛ばされそうになったり。
湘南新宿ラインも、京浜東北線も30分以上の遅れ。
そこでタワー駐車場のドアが開く。
黒い車体が光を放っていた。
ドアが普通の感覚では開かない。
力強く親指をボタンに当てて、押し込む。
強く引き、重さを感じながら、
本流のjeepの感触を期待しながら、
運転席へと体を滑り込ませる...と言いたいとこだが...。
腰の位置よりシートが高い。
ステップが、シートに体を近づけることを邪魔する。
うん、こいつは、ただ者じゃない。
非常にドライバーに優しい車...ではない。
それゆえ、jeepのイメージを期待裏切らない。
ちょい苦労しながら、ドライバーズシートに身を委ねる。
ブレーキ、アクセル...アクセル?アクセル?
ブレーキの並びにはない。
ちょっと奥まった位置にアクセルを発見。
そして左脚。
フットレストを探すが、それ以前に真っ直ぐ脚を
投げ出すことができない。
ミッショントランスファーボックスが大きいからだろうか。
左脚ふくらはぎが当たる。
少し左脚を真っ直ぐから右寄りにしなくてはならないのだ。
どうも膝の関節に違和感を覚える。
これは、フィールサイクルや、リアルサイクルを始め、
自転車に真摯に向き合っているからがゆえの違和感なのかも知れない。
どうも不安になるのだ。
しかし、少し走り出してみると、
相殺するような安定感を強風の中でも感じさせてくれる。
湘南新宿ラインが、もしjeepであっったなら、
遅れはなかったことだろう。(笑)
まあ、そんな事は絶対にないわけだが...。
アクセルを踏み込むと、1秒遅れ程でそ車体が動き出す。
車体の重さが、jeepであることを自覚させてくれる。
エンジン音は、期待していたものと違い、高級車レベルの静けさ。
排気音が車体を引っ張っていることを感じさせてくれる。
加速性もすこぶるいい。
FCAの広報の鈴木さんに別れを告げて、いざ文化放送まで。
ブレーキの感触がかなり良い。
ただ、ただ、ただ、
どうしても気になるのだ。左脚の置き場所が...。
右向きになってしまう左脚。
膝の関節に気持ち悪さを覚えてしまう。
まあ、そんなこと気にするクルマではないのだ。
一路、みなかみへ。
アダプティブクルーズコントロールだってない。
だが、ハンドルを握っていることが楽しい。
ほぼ垂直に切り立った小さめのフロントガラスが、
なんともミニカーになった車に、
ミニな自分達が乗っているかのように冒険心をくすぐってくれる。
さらには、オフロード車とは思えないような安定した車体の動きが、
しっかりと安心感と言うものを、ドライバー、
そして同乗者に提供してくれていた。
ただ毎回、乗り降りするシーンでは身長176センチの僕だと、
かえってステップが邪魔になる。
そういった細かいところを除けば、
この車は本当に安心感の大きい車で、
自分たちをどこにでも連れて行ってくれそうな予感が。
さぁ、そして翌日、朝目覚めて、外は大雪警報。
雪の深さも50センチほどあろうか...。
宿から出発するにあたり、駐車場から
動けないでいるような車を横目に見ながら、
この車は何の苦労もなくスタックと言う言葉とは
無縁の世界観で、出発してくれる。
走り出してみれば、『これぞ四駆!』と言わんばかりの推進力。
カーブでも、右左折する場合でも、
どんな時でも、最善の安心感。
そしてまあ、目立つこと目立つこと。
みなかみ町観光協会の木村さんも、このジープに興味津々。
やはり、雪深くなるエリアでは、
そもそもの評価が高いクルマなのだとうかがえる。
このクルマのライバルば、地元の方が運転する軽トラ四駆か、
ジムニーぐらいなもの。
とにかく、このクルマは、楽しい。
他人から羨望の眼差しでも見られる。
しかし、問題は返却前に起こった。
いつも返却時には、車はピカピカにしてメーカーに返却するのだが、
このクルマ、洗車機には入りません。
入ったとしても、洗い残し多数になります。
ゆえに、完全なる手洗い。
しかも、目に見えるところが入り組んでいます。
ガソリンスタンド泣かせの手洗い専用車。
ベンツのGクラスに負けないステータスもあり、どこでも行ける。
しかし、所有してからのお財布事情は、ちと、僕には大変かもと。
その辺りクリアすれば、この車は魅力的です。
【スタッフ's EyE】
これまでのキニナルで使用した外国車の
どの車よりも、見た目・乗り心地共に
大迫力で、「外国車」らしさを感じた車!
眞善にとっては、高すぎたシートの位置も、
ステップの存在もすべて、「らしさ」。
で、解決させられるほどのカッコよさ!
それが、Jeepラングラー!
その存在感には、西川アナウンサーも、
もう、メロメロ!
次は夏にラングラーで行きたい!
そう言わせるほど。
そんな車に似合う男になりたい!
とも思わせてくれる。
1つだけ!難点があるとするならば、
小回りが利かないということぐらいだろう。
細い道や入り組んだ街の中では少々
手こずるかもしれない。
しかし、そんな時も焦らず、
余裕を見せながら切り返す大人でありたいものだ。