【眞善's EYE】

『三菱アウトランダー』


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2,400ccのガソリンエンジン、AWD。
最上級グレード、ナビパッケージ。


やっとこの車に乗ることができた。
思えば1年前からオファーしていた車。
なぜこの車に乗りたかったのかと言えば、
僕の考えうる中で、かなりコストパフォーマンスが
高いと感じていたから。
デザイン、装備、安全性、車格。
全てにおいて、素晴らしいと感じていたから。


まず見た目、美しいではないか。
マイナーチェンジそれ以前と以後では全く別物の顔、
違う車と思えるほどのルックス。
デザインがとにかく成長したじゃないか。
マイナーチェンジ前はPHEVのアウトランダーをお借りして、
東名高速に乗り、名古屋まで取材に出かけたことがあった。
しかしルックスが自分好みでないと、どんなに魅力的な車でも、
好意を持って評価することができない...とも言えた。
それがマイナーチェンジ後は、
非常に攻めている顔つきになり、まさに、
別の車、別世界に照準を合わせた価値観の雰囲気に。


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欲しいと思える車になってきた。
それからと言うもの、アウトランダーに乗りたくて
仕方なかったのだが、皆様ご存知のように三菱には
色々とあった。
そんなこと関係なくものづくりの現場には、
モノづくりに熱い想いをかけた人間がいるはずで、
そんな心意気を知りたい!と思える車になってきていた。


そしてようやく、今回の実現。
嬉しいではないか。


さて田町駅からすぐの三菱自動車本社で
アウトランダーとご対面である。
まずは広報部にご挨拶。
たいてい、自動車メーカーの本社などのロビーと言うのは
自社の車の模型なり実車を展示して見せていたりするが、
ここは大きな自動車運搬船の模型が展示されていた。さすが三菱。
そうそう三菱と言えば車メーカーだけではなく、
重工業も昔からの得意分野、
いやそれが元になっているのだから当然だろう。
車と言うものが『大きい』ものではなくて
小さいものに感じられた。
三菱、大きな大きな船なども作っている会社である。
いや、日本を支えている根幹部を支えている
重工業企業なのだから。
それは車を作って、頑丈な事は間違いない。
期待高まる。


ワインレッドのボディーそしてシャープなフロントグリル。
否応なしにオーナーの悦びを、享受する錯覚に包まれる。


さぁ出発だ。目的地をナビにセットして...。
あれナビはどこにあるんだ?


完全にこれにはキニナルチーム、惨敗です。
ねをあげてしまった。
すぐに元いた場所に戻りナビの説明を伺いに戻る。


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そう、これは最新CarPlay、搭載なのである。
アップルやアンドロイドの提供するナビシステムにつないで、
それに車は連動しナビをスタートさせてくれる。
そして車両情報や車両=情報合わせて
集中コントロールできると言うセンターパネルの
画面になっていたのだ。


ここで問題発生。
センターコンソールから出ているケーブルに
iPhoneをつないでも現在地が出ない。
それもそのはず車を借り受けた場所は地下駐車場なのである。


1番上級クラスであるグレードでありながらにして、
GPS電波が届かない所では全く対応できないナビということ...。
これは盲点でもある。
そして何より心配になったのはiPhoneの使用データ。
これが一体どこまで膨らんでしまうことか...。
いやこれには参った。
iPhone専用のケーブルで端末とつなぐのだが、
明らかに走っている間、データのやりとりが
大量に行われて画面表示をしている。


ここにお金がかかると言うのは、
どんなにエコな車に乗ったとしても 、
思うようには お金、つまりお財布の節約には
つながらないのではなかろうか 。


やはり地球環境のことを考えるのは大事だが、
結局は一番、末端で僕らが解りやすいのは、
どれだけランニングコストがかないかということ。
そここそエコという言葉置き換えられるのではないだろうか。


そういった観点から考えるとアウトランダーの
この最上級グレードの車はエコではないと感じてしまった。


出鼻を挫かれた。
ただ、これが良かった。冷静に贔屓目ではなく
アウトランダーを見ようとできるきっかけでもあったから。


さあ、具体的に第一京浜から走らせて見ようか。
うん。ドライブフィールに関しては抜群である。
エンジン音ももとても静かで、快適そのもの。
アクセルとブレーキの感覚も絶妙。


ちなみに、エコモードでの運転は、スタートが滑らかになり、
新幹線の出発のよう。運転が上手くなった気がする。
ただ、高速道路に乗ってみると
アダプティブオートクルーズコントロールのセッティングが
気になり始めた。


実を言うと、その前週まで、ボルボのXC60にお世話になっており、
どうしても、そこを比較してしまう自分がいたのだ。


ボルボのそれは、FKDディレクターが運転しているのと
変わりないほどに、安定感のある滑らかな運転。
それをクルマがやってくれる。
だから、FKDが運転してるのか、オートクルーズなのか、
メーターパネルを助手席から覗き込み、
その作動ランプを確認しないとわからないほど。
それがアウトランダーは、乗り心地で、彼の運転なのか、
オートクルーズなのかが、一発でわかってしまう。
まあ、おそらくこれは誰でもわかる事だろう。


前の車の走行速度に合わせて人間的な感覚で
車間距離を調節するのではなく、
まるで連結されているかのように
前の車との設定距離を維持してくれちゃう。
走行速度に合わせて人間的な感覚で
車間距離を調節するのではなく、
連結されてる雨の日の車輪が空転したりする、
グリップしたりする電車のよう。
ゆえに少し距離が開けばアクセルが踏まれ、
距離が縮まれば、アクセルが戻され、
すぐさまブレーキがかかると言う具合。


アクセル操作のみで速度を調節しているのではなく、
常にアクセルかブレーキか、
どちらかが作動している感じ。
そう言う乗り心地に感じられるのだ。


ただし安全に運行されていると言う感覚は非常に強くある。


この辺の味付けは、ボルボやスズキ、スバルと違い、
どちらかと言うと日産のクルーズコントロールの味付け、
思想に近い味付けなのかな‥。


でも、前方にクルマのいない状況であれば、
これは心地良い定速運航をしてくれる。


こんな書いてしまったが、合格点ですよ。
だってアダプティブオートクルーズがついてるのと、
そうでないのとでは、長距離運転での疲労度が全く違うのだから。
期待していただけに、悔しくてここまで、
細かく感じ取ってしまう僕がいたのかもしれない。
でも、あくまで期待するものが高いからだと言っておこう。
つまりは、好きって事。


さて気になる燃費だが、街乗りでは
大体リッターあたり8キロから9キロ。
そして高速道路のクルーズコントロールを
多用した定速度運航の場合、
大体12キロから13キロ。
本来ならばもう少し燃費には伸びてもらいたいところなのだが、
ただ十分に合格点ではある。


今回僕らが取材に使った車は2,400ccのガソリンエンジン車、
しかも最上級グレードのナビパッケージでしたが、
この番組的に‥いや、僕が個人的にベストコストパフォーマンス賞を
献上するのであるならば、2,000ccのガソリン、
FFのセーフティーパッケージ。中間グレードです。
まあ、簡単に言ってしまえば、『僕が買うなら』‥‥
もっとはっきり、僕が欲しいと思っているのこそ、これなんです。


これに、カー用品店なんかで5、6万円のナビを付ければ、
もう完璧です。
iPhoneのCarPlayで、データ通信料や、
熱くなる事を気にせず、そして地下でもだいたい反応してくれる。
その方がよっぽどエコです。(笑)


心的にも楽です。
こういうチョイスをするような人が、
アウトランダーを選択肢に入れるような
購買層なんじゃないかとも思うわけです。


そりゃ、三菱に期待するものとして、
悪路走破なども、当然期待は高いでしょう。
けど、現実を考えた時に、そんなに日常で悪路には遭遇しない。


そして、本気で悪路には、パジェロが三菱にはあるではないか!
このクルマ、いわば、ランクルでなくて、ハリアーなのです。
そんな観点から、アウトランダーを見ると、
そのライバルの半分近くのコストで、それに近いものが手に入る。
というか、こっちの方が、僕の好みです。


車内空間だって、こちらの方がゆったり。


確かに、ドライバーの前に広がる
パネルクラスターなどは、ちょっと違う。
だけど、外からの雰囲気、見た目、その佇まい。互角です。
それが266万円くらいと考えると、これはすごいお買い得。
この価値観だと、ライバルは車格が違うけどエスクード。


最新機能は、もうてんこ盛り。
それでいて、実は他のメーカーで同じようなのを
買おうとすると、その1.5倍はする。
これはもう、名車ですよ。


本体価格が安く設定してくれてる分、
こんなクルマで、家族で出かける機会を増やせる。


お財布に優しくて、お母さんも笑顔。
家族の幸せにつながるクルマ。
そして安全性能も太鼓判。
家族を考えたお父さん、彼女を幸せにしたい彼氏、
これは、大きな存在感で、選択肢に入ります!





日常生活の中で、何となくふと「気になった」コトやモノ、ありませんか?
「あの商品はどうやって作られているのだろう?」「なぜ、あの店はいつも行列ができているのだろう?」「最近よく耳に するあの噂話は本当なのだろうか?」 この番組では、そんなちょっとした興味や好奇心を共有していきます。
それを現象としてただ伝えるのではなく、パーソナリティ・岡田眞善がその現場に赴き、見て、聞いて、感じたものをリス ナーの皆さんにお伝えします。
俳優・プロカメラマンとしても様々な活動をしてきた「エネルギッシュすぎる超庶民派ラジオパーソナリティ」の眞善さ んが日曜夜のゆううつ感を吹き飛ばすワイド番組です。


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