May25
なんてったって舞台出身
やっぱり舞台出身の役者さんって底力があると思う。
テレビドラマ出身の人が舞台を踏むと、
たまに、あいたたたた、ということがあるのだが、
舞台から出てきた人っていうのは、
なんといっても基本ができている。
発声の仕方や台詞回しが全然違うもんね。
映像の世界でも成功する人が多い。
かといって、舞台もテレビも映画も上手だという人は
やはり珍しい。
舞台でもテレビでも映画でも、
どこに出ても華がある役者さんは、たとえば、
緒方拳、役所広司、真田広之、古田新太、生瀬勝久、
そして堤真一など。(男性では)
特に、堤真一ダイスキデス~。デレデレ~。
カッコいい!うまい!
そう、堤真一はもともとは千葉真一、真田広之のJAC出身。
胸板も厚いわけだ!
その堤真一主演の舞台がシアターコクーンの『シダの群れ』。
三つのヤクザの組で起こる共闘の物語。
作・演出は岩松了。
ヒロインは松雪泰子。
あ、そうそう、親分役の風間杜夫もさすが。
てなわけで、内容よりも役者がいいという舞台でありやした。
市川実和子も最近、舞台で面白いね。
『シダの群れ』 シアターコクーン
5月27日まで
May18
幸せの教室
アカデミー賞に輝く二大スター、
トムハンクスとジュリアロバーツが主演。
『幸せの教室』。
トムハンクス演じるラリーは、学歴を理由に
いきなりリストラされる。
そこで再就職するためのスキルを身につけようと、
短期大学に入学。そこで出会うのが、
教師としての情熱を失いかけている教師のメルセデス。
女性教師としては美しすぎるジュリアロバーツなのだが...。
2人はこの教室で、新しい幸せを見つけていく。
まず冒頭で、ラリーがいかに仕事に対して
前向きで誠実で、楽しんでやっているかがわかる。
それが会社側の都合で急にリストラ......。
アメリカって残酷......。
トムハンクスのダサさ加減がかわいい。
ポロシャツの腕の部分から白いシャツが出ていたり、
ズボンの裾が短かったり。
けれどラストでは、
すんごくカッコいい顔になっているのだ。
ジュリアロバーツの、最初のイヤ~な女って感じもよい。
これまたラストではかわいい女の表情になっている。
2人が恋に落ちるまでのプロセスが
細かく描ききれていない感は若干あるが、
そこんとこはさすが大スター。
これまで2人が出演してきた映画、ドラマがあるから、
そのイメージで成り立ってしまうのが不思議。
リストラって暗い響きがあるけど、
この作品で表現されているリストラはリストラクション。
ホントの意味でのリストラだと思う。
人生、何が起こるかわからない。
でもラリーのように、懸命に生きてきた過去を
否定もせず美化もせず、
なおかつ現実に柔軟に接していけば、
必ず明日は開かれる。
気持ちのよい作品デス。
ちなみにジュリアロバーツとワタシ、同い年。
『幸せの教室』公開中
May04
ナイロン100℃
久々にナイロン100℃の舞台を観にいった。
犬山イヌコと峯村リエ主演の『百年の秘密』。
2人の女性の半生、友情を描いた作品なのだが、
かなり複雑。
作・演出はケラリーノ・サンドロヴイッチ。
カレの作品は、見てみないとわからない。
面白いときとそうでないときとの差がありすぎるのだ。
かみ合わない会話のやりとりと、
どう転がっていくのかわからないストーリー。
でも笑ってしまう、という舞台あり。
笑いたいのに笑う要素が全くなく、
つかみどころのないまま舞台が進んでいってしまう
舞台あり。
今回は後者。
ワタシとしては久々に笑いたかったのだが、
舞台は怪しげにシリアス、
どことなくシニカル。
しかも長い。
休憩15分含めて、全部で3時間半!
申し訳ないのだが、休憩で退場してしまった。
でも、不思議なことに
「面白くない!金返せ!」
と思わない。
「こういうときもあるよね、ケラって」
と納得してしまうのだ。
そこがケラのすごいところ。
そして、ケラが要求するどんな演出にも
役者が必ず対応してカンペキな舞台をつくるのが、
ナイロン100℃という劇団のすごいところ。
途中退場して飲みに行った下北沢の居酒屋。
大将のサクちゃんが元気そうで嬉しかった。
『百年の秘密』下北沢 本多劇場
5月20日まで
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