Oct28
ゴローちゃん
ゴローちゃん!......と気さくに言うほど、
稲垣吾郎さんの熱烈なファンではないワタシだが、
先日、彼が舞台で演じたおぼっちゃまの役が、
なんともコミカルで憎めないキャラクターだったので、
今回の石川啄木役も見たくなってしまったのである。
『泣き虫なまいき 石川啄木』
数々の歌を残しながら、
若くして亡くなった啄木の人生は、
決して順風満帆ではなかった。
病魔と闘い、母や妻など家族との確執に苦しみながらも、
おおらかに生き抜いてきた啄木。
いや、ホントは暗く苦しんでいたのかもしれないが、
そこはゴローちゃん演じる啄木。
苦悩の中でもどこかひょうひょうとしたユニークな
啄木像が出来上がっていて小気味よい。
母役の渡辺えり、父役の段田安則、
妻役の貫地谷しほりなど、
脇もいい感じに固まっていて、
ジーンと涙、クスっと笑いの、
完成度高い舞台に仕上がっている。
作は井上ひさし、
演出は段田安則が担当。
『泣き虫なまいき 石川啄木』
紀伊國屋サザンシアター 10月30日まで