Oct07
中谷美紀
女優・中谷美紀。
テレビや映画ではよく見ていたし、
独特な雰囲気がある女性だと思っていた。
今回の舞台は、意外にも彼女にとって初舞台。
しかも1人芝居。1人3役の女性を演じている。
いやあ、上手だなあ。
1人の男を通して描かれる3人の女性の物語。
それぞれの胸に秘められている想いが交錯する
1時間半なのだが、この1時間半という間、
中谷美紀はセリフを吐き続けるのだ。
娘、妻、愛人。
愛する苦しみと愛される幸せ。
舞台上から隠れることなく、姿を変えていく
中谷美紀。
清楚な娘から一転、赤く官能的なワンピースの妻へ。
そして、白装束の愛人へ。
白い着物を自分自身で着ながらのセリフまわしは
ただただお見事。
着物の着こなしも、どこかプロっぽい粋な着こなしだ。
舞台は本水の雨から始まる。
舞台上にたまった池。
それがいつのまにか、すーっと水が引き、
今までそこにあった水草もなくなっている。
玉砂利が敷かれた舞台。
そして最後はパタンパタンと細い板が次々と倒れ、
木の板が敷き詰められた舞台に転換。
無駄がなく美しい演出だった。
モントリオールでも公演が行われたこの舞台、
東京の次は兵庫、新潟、福岡、名古屋、京都と
続く。
原作は井上靖。タイトルは『猟銃』。
『猟銃』
パルコ劇場 10月23日まで