Oct28
ゴローちゃん
ゴローちゃん!......と気さくに言うほど、
稲垣吾郎さんの熱烈なファンではないワタシだが、
先日、彼が舞台で演じたおぼっちゃまの役が、
なんともコミカルで憎めないキャラクターだったので、
今回の石川啄木役も見たくなってしまったのである。
『泣き虫なまいき 石川啄木』
数々の歌を残しながら、
若くして亡くなった啄木の人生は、
決して順風満帆ではなかった。
病魔と闘い、母や妻など家族との確執に苦しみながらも、
おおらかに生き抜いてきた啄木。
いや、ホントは暗く苦しんでいたのかもしれないが、
そこはゴローちゃん演じる啄木。
苦悩の中でもどこかひょうひょうとしたユニークな
啄木像が出来上がっていて小気味よい。
母役の渡辺えり、父役の段田安則、
妻役の貫地谷しほりなど、
脇もいい感じに固まっていて、
ジーンと涙、クスっと笑いの、
完成度高い舞台に仕上がっている。
作は井上ひさし、
演出は段田安則が担当。
『泣き虫なまいき 石川啄木』
紀伊國屋サザンシアター 10月30日まで
Oct19
米軍横須賀基地
横須賀にある米軍横須賀基地。
基地内は、普通、我々一般の日本人は入れない。
だって中はアメリカだから。
でも、たまにオープンになることがある。
先週日曜日は、横須賀みこしパレードが行われた。
多数の神輿や山車が集結し、
米海軍横須賀基地内に入り練り歩く。
日本の行事とアメリカの雰囲気がマッチした、
横須賀でしか見ることのできないお祭り。
楽しかったよー。
迷彩のハマーや、でっかい消防車に
5歳の息子も大コーフン。
ライブあり、バザーあり、バーベキューあり。
映画館やボーリング場など、娯楽施設も揃っている。
レストランでは、巨大なピザにビックリ!
ありゃ、ピザ"パイ"じゃない。
分厚いピザ"パン"だ!
屋台では、草履みたいなステーキがジュージューと
煙を上げて焼かれていたり。
THE・AMERICAって感じで豪快!!
初めて基地内に入る私に、うちのとーちゃんが言った。
「パスポート、忘れるなよ」
本気にしちゃったじゃないか!!
あー。恥ずかしい。
一般人が入れるようないろいろなイベントが
定期的に開かれているので、
ホームページをチエックしてみて。
気軽に1日アメリカ気分を味わえるよ!
『横須賀米軍基地』
http://www.cocoyoko.net/base/
Oct07
中谷美紀
女優・中谷美紀。
テレビや映画ではよく見ていたし、
独特な雰囲気がある女性だと思っていた。
今回の舞台は、意外にも彼女にとって初舞台。
しかも1人芝居。1人3役の女性を演じている。
いやあ、上手だなあ。
1人の男を通して描かれる3人の女性の物語。
それぞれの胸に秘められている想いが交錯する
1時間半なのだが、この1時間半という間、
中谷美紀はセリフを吐き続けるのだ。
娘、妻、愛人。
愛する苦しみと愛される幸せ。
舞台上から隠れることなく、姿を変えていく
中谷美紀。
清楚な娘から一転、赤く官能的なワンピースの妻へ。
そして、白装束の愛人へ。
白い着物を自分自身で着ながらのセリフまわしは
ただただお見事。
着物の着こなしも、どこかプロっぽい粋な着こなしだ。
舞台は本水の雨から始まる。
舞台上にたまった池。
それがいつのまにか、すーっと水が引き、
今までそこにあった水草もなくなっている。
玉砂利が敷かれた舞台。
そして最後はパタンパタンと細い板が次々と倒れ、
木の板が敷き詰められた舞台に転換。
無駄がなく美しい演出だった。
モントリオールでも公演が行われたこの舞台、
東京の次は兵庫、新潟、福岡、名古屋、京都と
続く。
原作は井上靖。タイトルは『猟銃』。
『猟銃』
パルコ劇場 10月23日まで