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第3回かもめ亭レポート
<今回のトリは第一回目に続き、柳家喬太郎師匠>
小学館と文化放送の共催による『浜松町かもめ亭』の第3回公演が3月16日(金)文化放送メディアプラスホールで開催されました。
今回の番組は
『金明竹』柳家初花
『崇徳院』立川志ら乃
『野晒し』三遊亭遊雀
『白日の約束』柳家喬太郎
開口一番・初花さんは柳家花緑門下で気鋭の二つ目。
「落語ブームには、なぜ“密かな”と枕詞がつくの?」など、十分ほど語ってから、関西弁でまくし立てるお使いの口上が分からず、古道具屋一家が四苦八苦する『金明竹』の一席。
題名の「金明竹」は黄金色に輝く中国竹の事。これで作った名作花活けの他、このネタに登場する道具七品は、刀の三所物の名作・名木を柄に使った脇差・名人宗a作の小柄・大茶人古田織部作の香合・楽家三代目道入、俗にのんこう作の茶碗・芭蕉直筆の掛け軸・名僧の書を張り交ぜた小屏風と、鑑定家・中島誠之助さんも驚く逸品揃い。初花さん、マクラを振りすぎたか(笑)大抵、『金明竹』の前半に入る「骨皮」を省略。言葉違いに重点を置いた軽快な笑いで座を固めます。
続く立川志ら乃さんは立川流の注目株。
上方落語の桂雀々師に似た賑やかな高座で、「安部首相夫人昭恵さんを見るにつけ、日本は美しい国になりそうもありませんね」と言って、ある代議士をしくじった話をマクラに『崇徳院』へ。
「百人一首」で知られる崇徳上皇の歌、「瀬をはやみ 岩にせかるる瀧川の 割れてもすえに あわんとぞおもふ」を手掛かりに、職人の熊さんが若旦那の片思いの相手を江戸中を探し回る。東京では三代目桂三木助師の小粋な十八番でしたが、志ら乃さんは熊さんの早合点ぶりをパワーアップ!勢いのある爆笑ネタに仕上げました。
次なる三遊亭遊雀師匠は、見た目も声も作家・山口瞳に似た、知性的な雰囲気。
「太鼓は馬の皮で出来ている。これをぜひ覚えて戴きたい。この噺のオチですから」と客席を笑わせ、『野晒し』を珍しく本来のオチまでタップリと。
長屋の浪人が釣りに出た隅田川べりで野晒しの骨に回向を施した所、美人の幽霊が礼にきた。それを聞いた隣家の八五郎が自分も美人の骨を!と隅田川へ。自分の顎に釣針を刺すなど大騒ぎの挙句、骨を見つけ、実にいい加減な回向をした。その夜、八五郎の家に現れたのは誰あろう・・・浪人者の渋み、八五郎のトッポさと、遊雀師は緩急自在に笑いを誘い、実力発揮の高座でした。
最後は第1回に続く2度目の主任(トリ)で、新作から圓朝物まで新旧のネタを巧みに操る人気者・柳家喬太郎師匠。
「バレンタイン・デーはチョコレート屋の陰謀。ゴディバなんて、語感からすれば怪獣の名前でしょ。しかも、ホワイト・デーは、貰ってない者には、お返しを上げる権利もない」と怒り(?)のマクラから、新作『白日の約束』へ。
ホワイト・デーのお返しに、モテない男が悩み、やっと店やプレゼントを用意したら、なんと彼女は忠臣蔵マニア!「3月14日はホワイト・デーより、浅野内匠守の命日でしょ!」と泉岳寺へ。意表をつく展開に客席も大爆笑。大満足で締めくくりました。
今回の高座は、近日、落語音源ダウンロードサイト『落語の蔵』で配信予定です。どうぞご期待下さい。
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