今週の『おもしろ人間国宝』には、『ひなびた温泉研究所』所長の岩本薫さんに
お越し頂きました。
これまでに200ヶ所以上の"ひなびた温泉"を訪れてきたという岩本薫さんは、
その様子を温泉ブログ「ひなびた温泉研究所」に綴られています。ちなみに、
本業はコピーライターとクリエイティブディレクターをされているそうです。
岩本さんによりますと、ひなびた温泉というのはアンチ観光ガイド的な温泉で、
たぶん家族旅行には向いていないと思われる温泉のことを意味するそうです。
また、名旅館といったような評価とは無縁で、温泉の湯質も必ずしも名湯という
わけではなく、普通の湯なのに何かひたれるなぁ・・・という温泉が多いのだとか。
【岩本薫さんオススメの"ひなびた温泉"】
●信州のひなびたハイカラ湯「角間温泉・越後屋」(長野県)
蓮如が発見したといわれている歴史ある温泉地で、湯治向けの名湯として、
林芙美子・吉川英治・横山大観など数多くの文人も訪れている。 4軒ある
旅館の中で、「越後屋」が特に風格があって渋い。
●日本一恥ずかしい露天風呂「満願寺温泉・川湯」(熊本県)
川辺の露天風呂は全国にいろいろあり、たいていの場合は河原と一体化した
ようにあるが、満願寺温泉の川湯は町の中の狭い川の岸に、コンクリートの
湯船がせり出している感じで、まるで川に浸かっているような感覚になる。
●伝説のおにぎり弁当が食べられる「霧積温泉」(群馬県)
群馬県と長野県の境目あたりの山あいの温泉郷。作家・森村誠一さんの小説
「人間の証明」の舞台になった場所で、「金湯館」という旅館のおにぎり弁当の
包み紙にインスパイアされて執筆した。 実際に、女将さんがおにぎり弁当を
作ってくれ、「人間の証明」と同じように、西条八十の「麦わら帽子の詩」を包み
紙として使っている。
●ここは現代の隠し湯か!? 「くすり湯」(熊本県)
狭く暗い路地を入っていったところにあり、中はレトロな銭湯空間となっている。
浴室も激渋で、窓ガラスにガムテープがバッテンに貼られている。