終わりよければ・・・(放送終了)

10月12日~10月16日の「ラジオ サロン de くにまる」のゲストは大野雄二さん

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10月12日(月)「音楽との出会い」
大野雄二さんは戦前生まれ、熱海の旅館の子として生まれました。終戦とともに旅館は連合軍に接収されたときに、お客さんがジャズのような洋楽のレコードを持って泊りに来るようになりました。これが大野さんとモダンジャズとの出会いです。ウキウキするような音楽だったと大野さんは話します。
高校の学園祭で同級生が演奏しているのを見て、自分も演奏して良いんだと気付いた大野さんはクラスメートを集めてジャズバンドを作ります。当時は見よう見まねで、ドリス・デイなどを演奏していた大野雄二さんでした。

10月13日(火)「音楽家生活の始まり」
高校でそれなりに演奏をしていた大野さんは大学でも音楽サークルに所属します。ここで、譜面をこう書けば楽器はこう演奏するという、作曲の手法を大野さんは自分で学んだのだそうです。
大野さんは大学2年の頃から外でも演奏をするようになりますが、その後、CM音楽の作曲を始めます。犬神家の一族の愛のテーマがJAZZピアニストの曲とは思えない(邦丸さんが)訊いてみたところ、その頃にはもう充分ありとあらゆる分野の曲を書いていたからと、笑って大野さんは話してくれました。

10月14日(水)「作曲家の道へ」
JAZZ奏者だった大野雄二さんが作曲家になったのは、JAZZの世界の評価に失望したからでした。前衛的な海外の演奏家は基本もしっかりしている。だけれど日本の演奏者は基本的な演奏がうまくない。そこで土台の部分に力を入れようとした大野さんは「マンネリ」という評価を受けてしまった、これに失望したと大野さんは話します。そして、CM音楽の作曲の仕事をするようになった大野さんは、多い時で年間200本の曲を書くまでになりました。売れっ子作曲家、大野雄二の誕生です。

10月15日(木)「ルパン三世のテーマ」 
CM音楽を作っていた頃、大野雄二さんはドラマの音楽も作っていました。石立鉄男シリーズがその代表的なものですが、サスペンス系のドラマの音楽を作っていた時のプロデューサーがルパン3世を手掛けるというときに大野さんは抜擢されます。
無国籍、サスペンス、コメディの要素を含んだルパン三世の音楽は、それまでの7年間の積み立てをうまく活かすことができたと大野さんは話します。
映画「人間の証明」の主題歌も大野さんの仕事です。この時は使われるシーンを想定して、画面に合う曲を作ってみたら、ロックのバラードが出来上がったのだそうです。

10月16日(金)「大野雄二さんのこれから」 
最近、大野雄二さんはまたジャズのライブを始めました。完全に止めたのが気が付いたら月に2回。お客さんが居るところやるのがうれしい、ライブはやっちゃた者勝ちなのもいいと大野さんは話します。
でも、そんな大野さんは新しいルパン三世のアニメシリーズのためになんと249曲を書きました。絵を見てしまうと刺激になってしまって、また曲を足したくなるのだそうです。
そんな大野さんにこれからを伺ってみたのですが、あんまりない・・・とのこと。そんな大野さんにラジオ番組のテーマ曲について尋ねてみた処、やっぱり予想通りの答えが返ってきました。

<プロフィール>
小学校でピアノを始め、高校時代にジャズを独学で学ぶ。慶應大学在学中にライト・ミュージック・ソサエティに在籍。藤家虹二クインテットでJAZZピアニストとして活動を始める。その後、白木秀雄クインテットを経て、自らのトリオを結成。
解散後は、作曲家として膨大な数のCM音楽制作の他、「犬神家の一族」「人間の証明」などの映画やテレビの音楽も手がけ、数多くの名曲を生み出している。
リリシズムにあふれた、スケールの大きな独特のサウンドは、日本のフュージョン全盛の先駆けとなった。その代表作「ルパン三世」「大追跡」のサウンド・トラックは、70年代後半の大きな話題をさらった。2015 年10月に日本テレビ、読売テレビほかで放送される「ルパン三世」新テレビシリーズの音楽を担当。