終わりよければ・・・(放送終了)

2月3日~2月7日の「ラジオバイオグラフィー 5冊のアルバム」のゲストは、楠田枝里子さん

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2月3日(月) 「子供の頃の話」
楠田枝里子さんは子供の頃、機械を分解するのが大好きでした。お気に入りのドライバーセットでミシンや掃除機を分解して遊んでいたのだそうです。また、バレリーナになるのが夢で、そのレッスンも受けていましたが、あまりに背が伸びすぎてしまって、この夢は挫折してしまいます。
でも、今でもバレーやダンスを見るのは大好きなのだそうです。特にお気に入りはピナ・バウシュ。公演があればそれが世界中のどこであってもすぐに飛んで行ってしまうと楠田さんは話します。
その楠田さんが生まれ育った伊勢は、神様と人間が一緒に暮らす街。この地で受けたインスピレーションがその後の楠田さんに大きく影響しているのだそうです。
  

2月4日(火) 「アナウンサーになって」
高校生になった楠田枝里子さんは、生徒想いの先生に出会います。この先生が化学の先生であったことから、東京理科大学の応用化学科に進みます。最初は受験をし直すつもりでしたが、良い友人に恵まれ、結局4年間、楠田さんはこの大学で過ごしました。
楠田さんは絵本を書くのが好きで、大学生の時はその絵本を使って、近所の子供相手に公園で紙芝居をしていました。このとき、話すってなんて楽しいんだろうと思った楠田さんは日本テレビのアナウンサー試験を受け、こちらも合格します。
でも、アナウンサーの世界は想像と全然違っていました。入社3か月で最初の辞表を書き、結局7年経った頃、退社することになります。このとき、楠田さんはほんとうにほっとしたのだそうです。

2月5日(水) 「なるほど!ザ・ワールド」
学生時代から続けていた絵本作家とアナウンサーの両方をこなす生活に疲れ日本テレビを辞めた楠田さんは、司会者の道を歩み始めるようになります。肩書にこだわる訳ではないけれど、尊敬する久米宏さんの「私は司会者です」という言葉がカッコ良かったので、なにか肩書が必要なら"司会者"が良いなと思ったと楠田さんは話してくれました。
そして楠田さんはなるほど!ザ・ワールドの司会者になります。
新しさがあり、手間とお金が掛かった、だけどありのままの姿を大事にした、とても素晴らしい番組だったと楠田さんは言います。この番組の中で楠田さんは衣装にも凝るようになりました。こいのぼりになったりお雛様になったり、とても楽しかったのだそうです。

2月6日(木)「作家としての活動」
楠田さんは1982年に、「ロマンチック・サイエンス」というベストセラーになる科学エッセイを書きました。面白い科学の本が無いなと感じていた楠田さんには、科学はいつもロマンチックという思いがあり、それを本にしたのだそうです。
楠田さんは天文にも興味があり、彗星の話を夢中に話してくれました。前回のハレー彗星接近の時のワインを2ダース取ってあって、次の接近の時にこれを皆で飲むのが楽しみなのだそうです。他の彗星がやってきたときにかなり飲んでしまったらしいのですが・・・。
楠田さんはいつも先の楽しみを想像しながら暮らしています。過去のことはどうでもいい、これからの事を楽しみにする、いつも夏休み前の子供のような状態だと楠田さんは笑いながら話してくれました。

2月7日(金)「ナスカの地上絵/今後について」
楠田さんはナスカの地上絵にもいち早く注目しました。その中の一枚の写真に写ったおばあさんに釘付けになった楠田さんは最初は資料を探しますが見つかりません。そこで楠田さんは一人ナスカに旅立ちました。地上絵の真実を極めた科学者マリア・ライさんに会い、楠田さんは「ナスカ 砂の王国」という本をまとめます。
また、今世紀になって急にチョコレートの研究が進んだことにも楠田さんは注目しました。その素晴らしさ、そしてチョコレートを作るショコラティエさんの芸術性に注目し、これを「チョコレートの奇跡」としてまとめました。
目標は無いけれど楽しい事ばかり、ここ半年の楽しみを追いかけるのに精いっぱいと楠田さんは言います。ずっと先を見ている楠田枝里子さんです。

<楠田枝里子>
三重県伊勢市に生まれる。東京理科大学理学部を卒業。
日本テレビにアナウンサーとして入社し、「おしゃれ」の司会等で注目を集める。日本テレビを退社し、フリーとなった後、本格的な海外情報番組の先がけとなった「なるほど・ザ・ワールド」(フジテレビ)の司会で人気を博する。
同時期に、最初の科学エッセイ「ロマンチック・サイエンス」がベストセラーとなり、続いて「不思議の国のエリコ」「気分はサイエンス」等、科学エッセイの新分野を開拓。最新刊は、「チョコレートの奇跡」。
司会者としても高い評価を受け、「世界まる見えテレビ特捜部」(日本テレビ)「FNS歌謡祭」(フジテレビ)などで活躍。現在も、数々の番組の司会者として、意欲的に仕事を展開している。