今日のゲストは、韓国ソウルのご出身、国際法学者で明治大学法学部助教 金 惠京(キム・ヘギョン)さんでした。
金惠京さんは著書である「涙と花札 韓流と日流のあいだで」で、ご自身の青春時代や日本への留学経験を通じて、日韓の文化の違いについて多くのことを綴っています。
そこで、文化の観点から見た日韓関係についてお話いただきました。
著書のタイトル「涙と花札」には、日本の方に韓国人の内面をもっと知ってほしいという意味が込められているそうです。
それは、韓国の葬式では遺族や参列者が心の底から嘆き悲しみ号泣するのですが、参列者は涙にくれる遺族の横で花札に興じるそうなのです。
「通夜の席で花札?」と日本では驚かれるのですが、遺族の悲しみを賑やかな場を作って癒そうという韓国の人々の深い情の表れだといいます。
その背景には韓国が背負う歴史も隠されています。
そもそも花札は、日本の統治時代に韓国に広まった遊びで、その後朝鮮戦争時代に駐留したアメリカ軍が持ち込んだ軍用の生地が花札の台として使われ、一層定着したそうなのです。
また、韓国人は一般的に「情」が深く誰とでも深いつながりを求めるのですが、日本人の「奥ゆかしさ」ゆえ、その対応を冷たく思ってしまうそうなのです。こんな文化のギャップも日韓の関係に悪影響を与えているかもしれません。
現在、関係が悪化する両国ですが、日本人・韓国人双方がきわだった部分に目が行き、その背景にある文化をもっと理解してほしいということでした。