『音楽マスターピース』では、ジャズ評論家の青木和富さんに
出演していただきました。
毎回、何らかのテーマに沿ってジャズの名盤をご紹介頂いている青木和富さんに、
今回はアメリカ音楽史に欠かせない重要な人物である『ジャズ・プロデューサーの
ジョン・ハモンド』についてお話し頂きました。
青木さんによりますと、「ジョン・ハモンドはレコード・プロデューサー、ミュージシャン、
音楽評論家として、1930年代から1980年代はじめにかけて活躍した人物で、特に
A&R担当者として新たな才能を発掘することを通して、20世紀のポピュラー音楽に
おいて、最も影響力の大きかった人物のひとりとなった。数多くのミュージシャンが、
ハモンドによって世に出され、あるいはキャリアを成功させることになり、その中には
ベニー・グッドマン、チャーリー・クリスチャン、ビリー・ホリディ、カウント・ベイシー、
テディ・ウィルソン、ビッグ・ジョー・ターナー、ピート・シーガー、ババトゥンデ・オラトゥ
ンジ、アレサ・フランクリン、ジョージ・ベンソン、ボブ・ディラン、フレディ・グリーン、
レナード・コーエン、ブルース・スプリングスティーン、アーサー・ラッセル、アシャ・
プトゥリ、スティーヴィー・レイ・ヴォーンらが含まれている。また、ジョン・ハモンドは
大富豪の息子で、子供の頃から黒人音楽が好きで、音楽誌のライター、その後、
CBSの名ジャズ・プロデューサーとして活躍。 元々はプレイヤー志向だったが、
新たな才能を見出しては世に送り出す事がライフ・ワークだった。モダンジャズには
ちょっと距離を置いていたようだが、ブルースを基盤にジャズやロックを受けとめる
視点は、ロックファンにはとっつきやすいものではないか」ということでした。
今回は、そんなジョン・ハモンドがプロデュースしたアーティストの中から、1915年
生まれの黒人女性ジャズ歌手で、サラ・ヴォーンやエラ・フィッツジェラルドと並んで、
女性ジャズ・ヴォーカリスト御三家の1人に数えられるという「ビリー・ホリディ」の他、
ジャズ・バンド・リーダーで作曲家、鍵盤楽器の演奏者、そして、プロデューサー・
アレンジャーとしても活躍した「カウント・ベイシー」、ジャズ・バンドとしては初めて
白人黒人の混成バンドでコンサートを行ったことでも知られ、1930年代には「スウィ
ング王」として一時代を築いた「ベニー・グッドマン」、更に「ボブ・ディラン」の楽曲を
ご紹介いただきました。
今日、ご紹介いただいた音楽は・・・
1.STRANGE FRUIT / ビリー・ホリディ
2.April in Paris / カウント・ベイシー
3.Solo Flight / ベニー・グッドマン・オーケストラ feat. Charlie Christian
4.Blowin' in the wind / ボブ・ディラン
以上の4曲でした。