終わりよければ・・・(放送終了)

芥川賞「爪と目」の著者・作家の藤野可織さん

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今年の7月に第149回芥川賞に輝いた「爪と目」(新潮社)の著者、
作家の藤野可織さんにお越しいただきました。
地元の京都からわざわざお越しいただいた藤野さん、
1980年京都生まれで、同志社大学大学院修了後、2006年「いやしい鳥」で文學界
新人賞受賞、2009年に書かれた「いけにえ」が初の芥川賞候補となり、今年の
7月に「爪と目」で、めでたく芥川賞受賞となりました。
今回の受賞作「爪と目」は父とその不倫相手の若い女性を観察する、3歳の娘の
目線で淡々と描かれる小説。藤野さんは前から、感受性が鋭いとかそういう特別な
人間ではなく、普通の鈍感な人々が平凡な生活を営む側面を描きたかったそうです。
もともと子供モチーフの作品は以前から描いていたので、もっと書きたいと考えて
今回の作品が出来上がりました。とにかく大がかりな仕掛けがなく淡々と物語が
進んでいき、最後には・・・!というお話。藤野さんの独特な文体と世界観、
そして背筋が凍るようなあの感覚を是非体感してみてください。
プライベートでは、藤野さんはかなりのホラー好き。小柄で可憐な藤野さんが
可愛らしい声でホラーについて嬉々として話す様子もなんだかユーモラスですね。
そして藤野さんのオススメ本。
「拳闘士の休息/トム・ジョーンズ」(河出文庫)
11編からなる短編集。元ボクサーで海兵隊員の経歴を持つ著者の、実体験をもとにした作品。