『音楽マスターピース』では、アフリカ大陸の大西洋沖にある
小さな群島からなる国、「カーボ・ヴェルデ」の国民的シンガー、
ナンシー・ヴィエイラさんに出演していただきました。
ナンシー・ヴィエイラさんが暮らす「カーボ・ヴェルデ」というのは、アフリカ大陸、
セネガル沖500キロ離れた大西洋上にある10の島からなる国家で、人口が
約52万7000人、公用語はポルトガル語、そしてクレオール語だそうです。
(※注:クレオール語というのは、旧植民地などで意思疎通のために自然に
出来た言語が現地生まれの子どもの世代に母国語となった言語のこと)
また、 エメラルドグリーンの美しいビーチはヨーロッパからの観光客が集まり、
国民は音楽や詩を愛しているのだとか。
そんな「カーボ・ヴェルデ」から遥々お越し頂いたナンシー・ヴィエイラさんは、
1975年に現在のカーボ・ヴェルデの対岸のアフリカ大陸にある小さな国、
ギニア・ビサウの首都ビサウでお生まれになりました。そして、生後4ヶ月後
には現在のカーボ・ヴェルデの首都、サティアゴ島のプライアに移り住みます。
ちなみに、ナンシーさんのお父さんは運輸通信大臣という要職にありましたが、
アマチュア・ミュージシャンとしてギターやバイオリンを演奏しており、その後の
ナンシーさんに影響を与えました。その後、14歳の時、お父さんが大使として
ポルトガルに赴任し、一家はリスボンに住むようになると、そこでナンシーさんは
ソング・コンテストで優勝するなどしてシンガーになるチャンスをつかみます。
そして1996年にはファーストアルバムを、2004年と2007年にもアルバムを
リリースされ、このうち2007年発売のサード・アルバムがヨーロッパで大ヒット。
そんな中、今月10日に日本でリリースされた通算4枚目のニューアルバムは、
イギリスBBCにて「彼女が真に偉大なるシンガーであることがこのアルバムで
証明された」と絶賛されています。
ちなみに、「カーボ・ヴェルデ」の音楽について伺ったところ、旧宗主国ポルトガル
における「ファド」に当たる音楽が「モルナ」で、ファドのクレオール版ではなく、
「哀歌」として発生し、同じポルトガル領だったアンゴラの奴隷からもたらされた
そうです。また、「モルナ」はカーボ・ヴェルデの人々にとっての心の音楽であり、
ブラジル発祥の4弦の弦楽器「カバキーニョ」やギター、ピアノで演奏されるそうで、
今回のアルバムは「モルナ」を基調にしているとのことです。また、「モルナ」以外
にもダンス音楽「コライディラ」や、農作業の後の集まりや地域のお祭りで発展して
来た「バトゥーケとフィナソン」、大衆的なミュージカルの音楽として発展して来た
「フナナー」など、「カーボ・ヴェルデ」には多様な音楽が存在するそうです。
☆ナンシー・ヴィエイラさん リリース情報
アルバム「そよ風のリズム、愛の歌」が、リスペクト・レコードから、
税込み2500円で好評発売中です。
今日、ご紹介いただいた音楽は・・・
1.愛し合いましょう / ナンシー・ヴィエイラ
2.心のカーボ・ヴェルデ / ナンシー・ヴィエイラ
3.眠れ わが子よ 眠れ / ナンシー・ヴィエイラ
以上の3曲でした。