『音楽マスターピース』では、"よろずエキゾ風物ライター"のサラーム海上さんに
出演していただきました。
今回は、6月9日から25日までモロッコとトルコのイスタンブールなどの都市への
取材旅行に行かれていたサラーム海上さんに、モロッコとトルコの音楽をご紹介
いただきながら、今回の旅でのエピソードなどをお話しいただきました。
連日ニュースでも報道されていたように、市民デモの真っ最中のイスタンブールに
サラームさんが到着したのは6月18日のこと。サラームさんによりますと、「既に
警察による市民への催涙ガスやウォーターキャノンによる攻撃は終わった後で、
市民たちはゲジ公園から離れ、それぞれの地区にある公園などに集まり、夜中に
討論会を開いたり、町の広場に無言で立ち続けるなど、非暴力無抵抗運動にシフト
していた。夜10時過ぎのアルコール販売禁止、妊娠中絶の禁止、公共の場での
キスなどの禁止など、エルドーアン首相のいきすぎたイスラム回帰政策、 そして
国民の生活に不必要なほどの再開発などが、ゲジ公園のショッピングモール化と、
それに伴う市民デモへの警察の暴力をきっかけに爆発した感じ。 ただ、トルコの
若い世代のみんなが団結して反対しているという訳ではなく、横浜と自由が丘を
足したようなエティレルという町では、高級車に乗った若者が"イケイケ"の青春を
しており、フェラーリやポルシェなど高級車に乗った若者が女性たちをナンパして
回る光景ばかりが目に付いた。また、東京などと共に2020年の開催を目指す
オリンピックに関しては、盛り上がるどころか会った人の誰も話していなかった。
ある人は"これ以上グローバリゼイションの商業ゲームに加担したくない"と話して
いた」ということでした。
そんな「トルコ」の音楽の中からは、『メルジャン・デデ』というアーティストの曲を
ご紹介いただきました。
また、もう一つの訪問国である「モロッコ」では、古都フェズで毎年行われている
「フェズ世界宗教音楽祭」と、モロッコ北部の山間部の小さな村「ジャジューカ」で
5年前から開かれている「ジャジューカ・フェスティバル」の2つを取材されてきた
そうです。
サラームさんによりますと、「ジャジューカは、あのローリング・ストーンズからはみ
出てしまっていた故ブライアン・ジョーンズが、死の1年前の1968年にモロッコに
赴き、異教徒ジャジューカたちの儀式を録音し、モロッコの宗教音楽として世界に
紹介した(1971年発表)。ウィリアム・バロウズに"4000年前から伝わるロックン
ロール!"と言わしたほど。今回は、毎年6月にジャジューカ村で開催されている、
観衆50人限定の「世界最小の音楽祭ジャジューカ・フェスティバル」に参加したが、
凄すぎて心身ともにぶっ飛ばされた!ちなみに、村には電気も来たばかり、水道も
ホテルもなく、受け入れられるのは50人のみ。それだけに世界中からこの祭りに
たどり着いた様々な経歴の人達ばかりが参加しており、イギリス人、アイルランド人、
ベルギー人、フランス人、ドイツ人、アメリカ人、日本人。そして、ジャジューカ村の
オッチャン達が参加し、ミュージシャンの家に泊めてもらい、家の食事を頂きながら、
三日三晩のまったりした音楽祭を楽しんだ」ということでした。
そんな「モロッコ」の音楽の中から、『マスター・ミュージシャンズ・オブ・ジャジューカ』
によるインストの曲や、モロッコ音楽の中で一番名前が知られているという「グナワ」
のアーティスト『ハッサン・ハムクーン』の曲をご紹介いただきました。
今日、ご紹介いただいた音楽は・・・
1.ナフィ / メルジャン・デデ
2.ブージュルーディア / マスター・ミュージシャンズ・オブ・ジャジューカ
3.スィディ・ムーサ / ハッサン・ハクムーン
以上の3曲でした。