『音楽マスターピース』では、去年の10月まで毎週水曜日にお送りしていた
コーナー「エキゾチック・ジャポン」にご出演いただいていた、おなじみ"よろず
エキゾ風物ライター"のサラーム海上さんに出演していただきました。
今回は、今、話題のインド映画4本が一挙に日本で公開される『ボリウッド4』
についてお話し頂きました。
「くにまるジャパン」をお聴きのリスナーさんには既におなじみかもしれませんが、
映画の都アメリカ「ハリウッド」に対して、年間映画制作本数と映画館観客総数で
世界ナンバーワンのインド映画、とりわけインド全土で上映されるヒンディー語の
映画を、その制作の中心地ムンバイをもじって「ボリウッド映画」と呼んでいます。
そんな中、近年のボリウッド映画の最高峰ともいえる4作が"ボリウッド4"として
日本上陸を果たしたということで、今回はその4作品の内容をご紹介頂いたほか、
それらの作品の音楽をご紹介頂きました。
【ボリウッド4について】
●『タイガー 伝説のスパイ』(4月20日より公開)
去年インドで累計興行収入1位を記録したアクションロマンス。インドのCIAにあたる
RAWの凄腕スパイ「タイガー」の物語。タイガーは仕事一筋のスパイだったのだが、
赴任先のアイルランドで若い女性に初めて恋をする。でも、その女性はパキスタンの
CIAにあたるISIのスパイだった。二人は恋に落ち、お互いに自分の国を捨てて、愛の
逃避行に出るという「ボリウッド版ボーン・アイデンティティー」といった作品です。
その中から、映画のエンディングロールで流れる、ベリーダンス風のリズムの曲
「マーシャラー」をご紹介頂きました。
●『命ある限り』(4月20日より公開)
イギリス・ロンドンを舞台に、運命に翻ろうされる3人の男女の悲恋を描いており、
一言でいうなら「ボリウッド版冬のソナタ」のような作品。悲しい過去を持つ爆弾
処理班の男、そして美女二人、交通事故、記憶喪失、三角関係、またまた交通
事故という、韓流真っ青のベタベタなラブストーリーが、北インドのヒマラヤ山脈の
風光明媚な場所ラダックと、ロンドンを舞台に繰り広げられる映画となっています。
その中から"インドの坂本龍一"ことARラフマーン作曲の「ジャブ・タク・ヘ・ジャーン
(命ある限り)」という曲をご紹介頂きました。
●『闇の帝王DON ベルリン強奪作戦』(4月20日より公開)
インド映画で初めてベルリン国際映画祭でプレミア上映された作品で、麻薬犯罪
組織とインターポールの抗争を描いた「ボリウッド版ミッション・インポッシブル」と
いった内容。ただし、主人公は悪人、マフィアのボス「ドン」。「ドンをつかまえるのは
難しくはない、ドンを捕まえるのは不可能なのだ」が決め台詞。ドンに弟を殺された、
インターポールの女性刑事とドン、その他の悪人たちとのスリリングなサスペンスが、
なんとベルリンの市街地を舞台に繰り広げられています。その中から、シャンカル・
エヘサーン・ローイの「ザラ・ディル・コー・ターム・ロー (覚悟を決めろ)」という曲を
ご紹介頂きました。
●『きっと、うまくいく』(5月18日より公開)
エリート大学を舞台に3人の学生が巻き起こす珍騒動を軸に、学歴競争と教育問題に
一石を投じたヒューマンコメディ。インド中の秀才が集まるエリート工科大学に通う3人が
主人公で、両親たちからは工科大学を出て、エンジニアになることを期待されているが、
本人たちは自分の夢を持っている。その自分だけの生き方を探せという教育問題と、
卒業後行方不明になっていた主人公を探すミステリーが同時進行する作品で、既に
ハリウッドやイタリア映画でもリメイクが決定しているそうです。
☆『ボリウッド4』公開記念トークショーのお知らせ
5月4日(土)午後4時30分からは、ゲストにタブラ奏者のU-zhaan(ユザーン)さん、
5月7日(火)午後7時からは、ゲストに映画字幕を担当されたアジア映画の研究家
松岡環さん、5月14日(火)午後7時からは、ゲストに日本で唯一のボリウッド専門
フリーマガジン「ナマステ ボリウッド」の編集長すぎたカズトさんをお迎えして、
いずれもシネマート新宿にて開催されます。
ちなみに、司会進行はサラーム海上さんが担当されます。
また、サラームさんの生まれ故郷である群馬県高崎市のシネマテーク高崎においても、
5月26日(日)午後4時30分より、2時間のボリウッド映画入門トークショーを行います。
今日、ご紹介いただいた音楽は・・・
1.マーシャラー(素晴らしや) / サジード・ワジード(作曲)
2.ジャブ・タク・ヘ・ジャーン(命ある限り) / ARラフマーン(作曲)
3.ザラ・ディル・コー・ターム・ロー(覚悟を決めろ) / シャンカル・エヘサーン・ローイ
4.オール・イズ・ウェル(うまくいく) / シャンタヌー・モーイトラ(作曲)
以上の4曲でした。