『音楽マスターピース』では、今月10日にご自身にとって3枚目のリーダー
アルバム、日本盤としては11年ぶりとなるアルバム「情熱のギター」を
リリースされたマルセル・パウエルさん出演していただきました。
ブラジル人ギタリストであるマルセル・パウエルさんは、ブラジル音楽界に
おけるギターの巨匠で、技巧的な演奏で世界のブラジル音楽ファンを魅了
したバーデン・パウエルさんの息子さんであり、今や父親譲りの技巧的な
ギターの演奏で、最も注目されるブラジル人アーティストの一人と言われて
います。
そんなマルセル・パウエルさんですが、ギターは9歳の頃からいじっていた
ものの、お父さんは息子たちが音楽の道に入ることに反対だったため、兄と
一緒にお父さんに隠れて練習していたそうです。しかし、ある日、兄と一緒に
自分たちの演奏(ちなみに曲はビートルズの「イエスタデイ」)を父に聞いて
もらったところ、お父さんは思いのほか喜び、「ギターの先生を紹介するよ」と
言ってきたそうです。ただ、マルセルさんはお父さんに教えてもらうのを諦め
られず、頼みこんでようやく教えてもらえることになり、94年にはお父さんの
欧州ツアーに兄とともに参加して演奏されました。また、同じ年のリオでの
コンサートは「バーデン・パウエル&フィーリョス(バーデン・パウエルと息子
たち)」としてCD化されており、これがマルセルさんの12歳での初録音と
なりました。その後、97年の初来日の際、東京のスタジオで行われた父の
アルバム「アフロ幻想組曲」の録音にも参加し、父や兄との共演のほかに、
マルセルさんのソロも3曲収録されました。しかし、その3年後、バーデンは
世を去ったので、これが結果的に親子唯一のスタジオ録音の記録になって
しまいました。
今回は、そんなマルセル・パウエルさんに、父バーデン・パウエルの作品で、
偉大なギターの名手だったラファエル・ラベロに捧げられた「咽び泣くギター」
という曲の他、アントニオ・カルロス・ジョビンとヴィニシウス・ヂ・モライス作の
名曲で、プロデューサーのヴィトール・ビグリオーニによる円熟したアレンジが
聴き所だという「ファベーラにはチャンスはない」、マルセルさんのオリジナルで
父の産まれた町「ヴァーヒ・サイ」の思い出を描いた曲「リオの哀歌」の3曲を
ご紹介いただきました。
☆マルセル・パウセルさんライブ情報
日時:4月12日(金)
会場:「CAY」(青山のスパイラルビル地下1階)
開場:午後6時
開演:午後7時半
料金:前売り3500円 当日 4000円
ローソンチケットより発売中
問い合わせ:「CAY」(03-3498-5790)まで
今日、ご紹介いただいた音楽は・・・
1.咽び泣くギター / マルセル・パウエル
2.ファベーラにはチャンスはない / マルセル・パウエル
3.リオの哀歌 / マルセル・パウエル
以上の3曲でした。