震災後の去年5月から、被災地を回る巡回無料映画上映会を続けている
岩手県宮古市「みやこシネマリーン」支配人の櫛桁一則さんに、地元宮古からお電話でご出演いただきました。
みやこシネマリーンは、国内初の、生活協同組合が母体となる映画館として1997年に誕生しました。
震災当時、仕事で盛岡にいた櫛桁さん、急いで宮古に戻りました。
映画館の設備には大きな被害はありませんでしたが、海に近い地区は津波に襲われ、壊滅状態だったそうです。
直後は「今は映画どころではない」と思いボランティア活動を行っていた櫛桁さんですが、
「映画館はやってないの?子供がドラえもんを楽しみにしている」と言うお母さんの声が耳に。
何人でもいいから見たい人がいるなら映画館を再開しようと、震災からわずか15日後の3/26に再開します。
シネマリーンの営業と並行して、たくさんの被災地で、無料巡回上映会を始めました。
小中学校や仮設住宅を会場に、既に100回を超えた上映会には、たくさんの子供たちが。
スクリーンに向かって笑ったり応援したり、映画館では感じたことのなかった反応だったそうです。
年配の方々の反応も子供たち以上。「男はつらいよ」と落語のコラボ企画では
「震災以来始めてこんなに笑ったよ」という声をもらいました。
募金をいただくのですが「1800円」募金してくれる人が多いんです。「映画1本分」ってことですね。
この活動は、映画ファンからの募金が土台になっています。岩手のほかにも宮城や福島で
同じ活動をしている団体もいます。
復興まで何年かかるか、何をもって復興なのかわからないように、この活動のゴールもわかりません。
しかし、こういう心のケアをするソフト面の活動は、ますます大事になってくるでしょう。
みやこシネマリーン 公式サイト