『音楽マスターピース』では、音楽評論家の五十嵐正さんに
出演していただきました。
今回は、去年世界中で話題になった"占拠せよ"「オキュパイ・ムーブメント」の
気分を伺い知ることが出来る音楽をご紹介いただきました。
五十嵐さんによりますと、2008年9月のリーマンブラザーズの経営破綻に
端を発する世界的な経済危機を背景に出てきた「オキュパイ・ムーブメント」は、
要約すれば「1%の富裕層の強欲が99%の人びとの生活を苦しめているとして、
格差の是正と公平な社会の実現を求める運動」で、米英でこういう社会的な
運動が起こると、「テーマ・ソング、サウンドトラックになる曲はあるのか?
生まれるのか?アーティストたちは運動にどう関わっていくのか?」など、
必ず音楽の役割が語られるそうです。
ちなみに、今回の「オキュパイ運動」が始まってからは、ニューヨークのウォール・
ストリートのズコッティ・パークをはじめ、各地の占拠現場にアーティストたちが
出かけていって、歌で連帯を表明しているそうです。そこに参加している主な
アーティストとしては、クロスビー&ナッシュ、ジャクソン・ブラウン、ジョーン・バエズ、
トム・モレロ(レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン)、ピーター・ヤロウ(PP&M)、
ショーン・レノン&ルーファス・ウェインライトなどがいる他、92歳のピート・シーガーが
アーロ・ガスリーと共に行進に参加する姿は感動を呼んで、大きく報道されました。
また、そういった面々が大挙参加するアルバム『Occupy This Album』の近日発売が
予告されている他、ロンドンでは運動参加者の有志がオキュペイション・レコーズを
設立し、ビリー・ブラッグ他の協力を得たアルバム『Folk the Banks』の発売に向けて
資金を募っているそうです。
そうした中から今回は、近年のアメリカの社会情勢を色濃く反映した内容となっており、
まさに99%の厳しい暮らしと1%への怒り、そして公平な社会への希望が歌われていて
「オキュパイ・ムーブメント」に響き合う、ブルース・スプリングスティーンの3年ぶりとなる
ニュー・アルバム「レッキング・ボール」と、一貫してインディ・アーティストとして活動し、
リベラルでフェミニストという政治姿勢を強く反映させた歌を歌いつづけ、年間200日を
超すライヴ活動で人気を広げたアーニー・ディフランコの3年半ぶりとなるニューアルバム
「ホイッチ・サイド・アー・ユー・オン」の中から3曲紹介していただきました。
今日、ご紹介いただいた音楽は・・・
1.We Take Care Of Our Own / ブルース・スプリングスティーン
2.Death to My Hometown / ブルース・スプリングスティーン
3.Which Side Are You On / アーニー・ディフランコ
以上の3曲でした。