終わりよければ・・・(放送終了)

1月9日~1月13日の「ラジオバイオグラフィー 5冊のアルバム」のゲストは、小野武彦さん

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1月 9日(月) 「裕次郎さんにあこがれた少年時代」
演劇の盛んな小学校に転校したのを機会に、小野さんの演技経験が始まりました。文化放送のスタジオに来たこともあったそうです。狛江に住んでいたので、調布の映画撮影所が近く、憧れの裕次郎さんを見にいったり、年を偽ってエキストラで出ていました。その頃、小野さんが映画を見るときは3本立ての映画館で見ていたので、裕次郎さんだけでなく小津安二郎さんの作品などいろいろな映画に触れることができて、それはとても幸せな体験でした。

1月 10日(火) 「俳優座の養成所にて」
玉川大学に入学した小野さんは、すぐに俳優座の養成所に入り大学を中退してしまいます。「花の15期生」という言葉ができたぐらいいろいろな人がいましたが、小野さんは養成所を卒業してからは文学座に入ります。文学座は分裂騒ぎがあったのでチャンスがあるのではないかと思ったのだそうです。
俳優座時代の友達はどんどん人気者になって行きますが小野さんは取り残されてしまいます。しかし友達の役柄は自分のそれとは違うと感じていた小野さんには、意外なくらい焦りはありませんでした。

1月 11日(水) 「大都会で人気に」
小野さんのチャンスは倉本聰さんに誘われた、ドラマ『大都会』でした。このドラマで憧れの裕次郎さんと共演した小野さんは、「目標としている役者さんは?」という裕次郎さんからの問いかけに、裕次郎さんですと答えたところ、裕次郎さんは真っ赤になってしまったのだそうです。
小野さんの演技を見た方が、次のドラマや映画に声を掛けてくれる連鎖で、どんどん小野さんの仕事は広がっていきます。時々二枚目の役柄の仕事も来ましたが、自分はかっこいいタイプ?の役者じゃないのだから、今のキャラクターを大事にしようと思ったのだそうです。

1月 12日(木)  「踊る大捜査線で大ブレイク」
小野さんの代表作といえば、「踊る大捜査線」。
3人の刑事、通称スリーアミーゴの愛称は3人が廊下で練習をしている姿からついたのですが、この時はいつも演じている袴田課長のキャラクターを表す「履歴書」をイメージしてアドリブをしていたそうです。
当時小野さんは腰痛に悩み、なんと8年間舞台には立たずにいましたが、そんな小野さんが最終的に腰痛の手術を決断したのは本当に意外な理由でした。

1月 13日(金) 9分55秒 「映画と舞台」
小野さんにとっては、舞台と映像、この二つは全く別物なのだそうです。ですからどちらも並行してやっていきたいと。でも木村光一さんをはじめとした素晴らしい人に指導をしてもらったこと、これが小野さんの最大の財産だそうです。そして不思議なことに小野さんにも人を見る目ができてきて、「こいつ良いな」と思うと必ずその人は伸びるのだそうです。
そんな小野さんは、今週末封切の映画ロボジーに出演されています。窓際社員3人にロボット製作を命じる、思いつきで行動する社長の役です。そして3月封切の舞台、海盗セブン、こちらは海を盗んでしまう話です。


<小野武彦>
1942年、東京都出身。
俳優座養成所を経て、文学座に入団し、舞台「美しきものの伝説」でデビュー。
以後、存在感のある演技で独自のキャラクターを確立し、幅広く活躍中。

【代表作品】
「王様のレストラン」
「踊る大捜査線」シリーズ
「科捜研の女2010」
NHK大河ドラマ「徳川慶喜」 など多数