東京広尾の日本料理の名店、ミシュランガイド東京で星を獲得、「分とく山」の総料理長・野崎洋光さんに、毎週、淡口醤油を使ったおいしい料理のレシピをご紹介いただくこのコーナー。
5月のテーマは「出汁と淡口醤油の関係」です。
出汁と淡口醤油の関係を知っておくと、様々な料理が簡単においしく
作れてしまうのです。今月は、その方法をお教えいたします。
5月23日に紹介するメニューは?
野崎 前回、おそばのつゆの作り方をお教えしましたよね。
今回は、温かいおそばのつゆとうどんのつゆを使って作る卵とじを
紹介します。
〈うどんのつゆで作る卵とじ 1人前〉
用意するもの
・にぼしやかつおぶしで取った出汁 150cc
・淡口醤油が出汁に対して20分の1 7cc(7.5)
・お酒3cc (淡口醤油の半分くらい)
・ねぎ
・しいたけ
・ベーコン
・みつば
・卵
※出汁を取る方法がわからない場合は、「出汁の3段活用の回」をご覧ください。
〈手順〉
●スライスしたねぎ、しいたけ、ベーコンをフライパンへ。
●出汁と淡口醤油、みりんを入れる。
●火をかけて、卵を入れて閉じる。
●沸騰したら、みつばをちらす。胡椒をかけてもよい。
〈そばのつゆで作る卵とじ 1人前〉
用意するもの
・にぼしやかつおぶしで取った出汁 150cc
・淡口醤油が出汁に対して15分の1 10cc
・みりん5cc (淡口醤油の半分くらい)
・ネギ
・しいたけ
・豚のバラ肉
・卵
〈手順〉
●スライスしたねぎ、しいたけ、豚肉をフライパンへ入れて炒める。
●ある程度火が通ったら、出汁と淡口醤油、みりんを入れる。
●卵を入れて閉じる。
●沸騰したら、みつばをちらす。
【料理のポイントは?】
By 野崎
〈ポイント〉
●そばのつゆは出汁に対して15分の1の淡口醤油 +みりん
うどんのつゆは出汁に対して20分の1の淡口醤油+お酒
●なぜ、そばとうどんで比率が違うのか?
⇒うどんの中には、塩分が入っている。下味がついているので、
出汁は薄くてよい。味の道ができている。そばには、塩分が
入っていないから濃くしなければいけない。
●ベーコンには下味がついている。だから、出汁は薄くてよい。
豚肉には下味がついていないので、濃くしなければいけない。
※なぜ淡口醤油が良いのか?
●昔は、塩分が入ってないそばは濃くしないとおいしくない
時代だった。かつおぶしをたくさん使えない時代だったから、
濃口醤油をつけて食べていた。今は、かつおぶしを自由に使える時代なので、淡口のほうがさっぱりしていておいしい。
●色がきれいで、卵が鮮やか
●味が濃くないから、卵の味もする
卵とじを食べた邦丸さんは・・・
邦丸 「はっきりいってうまい!」
「今までやってきたことは何だったんだろう」
「文句のつけようがない!」
今週も野崎さんの料理にノックアウトされた邦丸さんでした。
旬の素材の風味を生かす淡口醤油なら、創業、寛文年間のヒガシマル
醤油がお勧めです。
次回はそばつゆの作り方をご紹介します。お楽しみに!