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2016年にわれわれがニュースで取上げた「コトバ」の中で、今もなお頭の中で
リフレインするフレーズがある。
「こんな議論を何時間やっても同じですよ」
~セリフの持主は安倍総理大臣、舞台は国会。
各メディアは即座に反応し、当然一斉に安倍総理に非難の矛先が向いた。
気が短い、上から目線、慢心の現れといった総理の資質を指摘するものから
議会軽視、少数意見無視、全体主義等々といった政権の本質を問うものまで。
これは年金制度改革法案審議が行われた衆議院厚労委員会で
民進党が当法案を「年金カット法案」として執拗に批判を展開したプロセスで、
苛立ちを隠せない安倍総理が発した言葉だ。
しかし問題の本質はどのようなシチュエーションで、どういう質疑に対して
このセリフが発せられたのかという客観的状況を検証することではなく、
昨今の政治の風潮にある。すなわち問題は、「こんな議論を何時間やっても同じですよ」と、
◇権力者の放言が立法府の場で飛出してしまった事。
◇放言を「不適切ではない」と行政府が即座に閣議決定してしまった事。
つまり政治の現状そのものにあると思う。
私も会議がやたら多いことにウンザリすることはあるし、不毛な会議に苛立つことはある。
しかし、「議論が無駄」と突き放すようなことは決してしない。
まして総理大臣。議論を遺棄しようとするリーダーにこの国の行方をまかせる事は
出来ないのではないか。
3分の2という数の力を握ったリーダーだからこそ議論に真摯に対峙する義務がある。
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2017年の幕が開いた。数の力に頼った国会運営が露骨に目立ってきた政権、
失速が目に見えてきたアベノミクス、着地点が見通せない外交政策、
「おかしい!?」と思うことについては積極的に反応し、意見を発信しなくては、と
気持ちを引き締めている。
報道スポーツセンター部長 関根英生
文化放送報道制作部では「ニュースパレード」を中心に、日々のニュースをお伝えしています。
その一方で、私たちの周りには普段のニュースでは伝えきれないような話が溢れています。
それをお伝えする場所が、このリニューアルしたブログ。
部員それぞれがゆるやかに伝えていきます。
ニュースの「おまけ」として楽しんで頂ければ幸いです。
よろしくお付き合いください。