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第二次世界大戦の終結を決断した時の総理でありながら、その名を覚えている人は少ない鈴木貫太郎。映画や小説に登場する鈴木は枯れた人物で抗戦派と和平派の間で翻弄されている姿で描かれることも多いのですが、近年は新たに発掘される資料や記録で、この老総理がいかに国内の政争と距離を置きながら、時にしたたかに時に実直に天皇や海軍の重臣たちと呼吸をあわせ終戦に導いていったかがわかってきました。2・26事件で4発の銃撃を受けながら九死に一生を得、終戦時には抗戦派に再び命を狙われながらも生き延び天寿を全う。最後は故郷で酪農の大事さを若者たちに説くという波乱万丈の人生を歩んだ鈴木貫太郎。その数奇な人生をたどり、歴史の渦にのまれながらもたくましく戦争終結という名の対岸まで泳ぎ切った鈴木総理の終戦までの4か月に焦点をあてます。放送では2・26事件について振り返る鈴木貫太郎の妻たかさんの肉声テープなど貴重な音源も紹介します。在任期間、わずか4か月。しかし日本にとってはものすごく大切な4か月を担った鈴木貫太郎という人物を、ともに振り返ってください。判断を誤れば、天皇制も無くなり、日本という国家も無くなるかもしれない。そしてその責任を負うのはほかでもない自分自身....この究極の「火中の栗」を覚悟してつかんだ男の人間ドラマです。
番組内容
・なぜ鈴木貫太郎は総理大臣を任されたのか?
・ルーズベルト逝去時になぜ弔電を送った意図は?
・昭和天皇と鈴木が交わした阿吽の呼吸
・鈴木元総理が決意した「バドリオ」とは何者なのか?
・8月15日の朝、鈴木邸になぜ火は放たれたのか?
(出演者)
・アーサー・ビナード アメリカ生まれの詩人
・鈴木道子氏 鈴木元総理の孫 音楽評論家(元文化放送アナウンサー)
・波多野澄雄 国立公文書館アジア歴史資料センター長 ほか
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