5月26日、27日、伊勢志摩サミットが開かれました。
国内外6000人もの報道関係者が取材拠点にしたのが
三重県営サンアリーナに設営された「IMC=国際メディアセンター」です。
サミットの会場となっている賢島の志摩観光ホテルからは車でおよそ40分。
メディアの代表者が会場に取材に行き、
そこから送られてくる音声や映像が各メディアに配信されます。
それらをもとに、記者が記事を書いたりレポートをしたりするのです。
個人的には世界中の報道関係者が同じ場所で同じものを取材する、ということに
感じるものがありました。
文化放送もこの中にブースをひとつ持ち、
そこから番組を生放送したり、ニュースのレポートをしました。
この部屋には基本、技術さんと2人ぼっちではありましたが、
準備には迅英部長、同じく国会担当の山本記者、
宿泊施設を確保してくださった報道のみなさんの尽力がありました。(大変なのよ)
サミットが始まってからも報道デスクのみなさんや、連日編集をしてくださったウラのりかずさん
各番組の担当者さんや、
本社と現地の技術さんとの「絆」を感じながらの放送でした。
旧知の記者に再会することも多く
あちらこちらで、旧交を温めている姿も見受けられました。
そんななか、「あ、石森さん!」と声をかけてくださったのは、記者ではなく
警視庁の報道担当者のかたでした。
サミットには全国の警察署からの応援と合わせ2万人の警察官が配備されています。
今回は賢島周辺に集中していますので、かなりの「密度」ということになります。
賢島の手前に設けられた臨時保安所や、伊勢神宮周辺などにも取材に出かけましたが
お話を聞けば、皆さんの生活や仕事への警備の影響は少なくありませんでした。
ただし「守ってもらえてありがたい」とか
「警備が厳しいのは仕方がない、終了後の経済効果に期待したい」などの声が目立ちました。
英虞湾には60を超える島々があるほか入り江や森も多く
不審者や不審物の発見には地域の目が欠かせないとして
事前に何度も警備についての説明や協力要請があったとのこと。
住民のみなさんも大変協力的で、防犯意識の高さを感じました。
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さて、IMCの敷地内には「三重情報館」という展示施設も開設されました。
ここには三重県や日本の最新技術や伝統工芸などが展示、実演されていました。
これは江戸時代から伝わる「からくり人形」。
お茶を運んできて、茶碗を茶卓から持ち上げるとそこで停まり
再び置くと振り向いて戻っていきます。
木製で動力はゼンマイ。ペッパー君のご先祖様です。
いったいどういう人が持っていたのだろうと聞きましたら
大名など、財力のある人が「見せびらかすために」持っていたのだそうです。
では、現在のロボットはどうなのか?
からくり人形の横には、最新のロボットが展示されていました。
そこでロボットの開発者のかたに話を聞くと
「以前、ロボットは『人間の代わりに何かをするもの』と思われていましたが
現在は『人間の生活、心や体をサポートするもの』になりつつあります」とのことでした。
からくり人形の職人さんと、最新のロボット技術者が
互いにリスペクトしながら歯車について立ち話をしているのを見て
受け継がれてきた日本のものづくりの技術や文化に思いを馳せました。
もともとは海外メディアにそういった日本の技術や文化を伝えるのがこの施設の目的なのですが
隣のエリアの伊賀忍者ショーなどに見入っている外国人記者が多く、
ちょっとあららという感じではありましたが。
~以下蛇足~
会場内を移動中、
ロボットのペッパー君に「三重県についてのクイズで僕と勝負をしよう」と言われ
受けて立ちましたが、惨敗。
おまけに半笑いのペッパー君(主観)に
「惨敗記念」の写真をとられ屈辱の図。くっ。
今週のニュースパレードは「被災地における感染症」をテーマに特集しています。
東北大学医学部にご協力頂くことになり、仙台まで行って参りました。
東北大学は5年前の東日本大震災で被災地の感染症対策にあたった災害対策のエキスパートです。教えて頂いたことは「災害時に特別な対策があると言うよりも、日頃からいかに感染症予防をしているか」ということと「過度に怖がりすぎず、かといって油断もしないように」ということ...避難所で体調不良者が出たと報じられると非常に不安になりますが、言われてみればインフルエンザやノロウィルスは普段の生活で誰もが感染する可能性のあるもの。
とはいえ災害時には心も体も弱っているのは間違いなく、普段以上に自身が留意することや周囲が心を配りあうことが大事。病気の感染拡大を防ぐには、避難という非日常の大変な状況の中でいかに日常のルールやモラルを思い出して実践することが大切であるかを確認しました。今回の熊本の方々と同じく5年前に未曾有の震災を経験した東北大の皆様だからこそ伝わってくるお話でもありました。
月曜日と火曜日は基本的な「感染症に対する考え方」「どのような感染症が被災地で蔓延する懸念があるのか」などについて東北医学部の賀来満夫教授に伺いました。日本環境感染学会の理事長でもある賀来先生は感染症学の権威ですが、東京の病院にいらした頃は通勤の車の中でよくニュースパレードを聴いて頂いていたそうです。
後半3日間は東北大学医学部講師も務める大学病院の遠藤史郎医局長に具体的な対策を聞きます。遠藤先生は5年前の震災で石巻の実家が被災した方で、今回の熊本地震でも現地に飛んで調査を行いました。家が流され避難所から動きようが無かった東日本大震災と比較すると今回の熊本地震は、余震による倒壊への懸念から自宅には戻れない一方、車を使い移動する人や昼間は避難所に身を寄せて夜は車中泊する人が多いなど避難所における昼間人口と夜間人口が大きく違うことで、特に最初の1週間は行政が設置すべきトイレの適正な数を把握できないなどの苦労も多かったと話してくれました。
トイレの使用頻度から被災地の状況を読み取るというのは、医学の範疇を越えて社会心理学、社会行動学などとの有機的な連携が今後ますます必要になるのでしょうね。「防災省」の設置なども遡上に上がり始めているようですが、地震大国、災害大国・日本の中で改めて研究し実践することの大事さも痛感しました。
「被災地の感染症対策シリーズ」は金曜日までお送りします。ぜひお聞き下さい。
左から賀来教授、吉田眞紀子助教、そして遠藤医局長。皆様、本当にありがとうございました。
なお東北大学では感染症予防の8か条など日常生活の感染症予防の啓発に力を入れています。
一度、H.P.を覗いてみてください。
↓
http://www.tohoku-icnet.ac/
秩父宮ラグビー場に、スーパーラグビーのサンウルブズの応援に行くはずだったのが、隣の神宮球場から聞こえてきた法政の応援歌に誘われて、またしても東京六大学野球へ。
第2試合の東大対立教を観戦。メディアで話題の145キロ左腕、宮台くん(湘南:3年)が、甲子園常連校出身者をズラリと揃えた立教打線を完封。打線もプロ注目の澤田(大阪桐蔭:4年)に集中打を浴びせた。(つええええええええー)
早稲田の学生時代から幾度となく通った神宮で、これほど感動したゲームはない。(赤門はええの)
偏差値70超の応援部員が泣いている。センター試験で90%超の正答率を叩き出したであろうチアが駆け寄ってくる。スタンドの現役東大生やOB、私のようなニセ者も含めて歓喜の嵐。すでに明治に1勝しているけど、シーズン2勝は実に8年ぶり。
高校野球で強豪校とは言えない超進学校の出身者が揃う東大。それが、大阪桐蔭だの浦和学院だので固めたチームに勝つんだもんなあ。
弱くても勝てます...なんてタイトルのドラマがあったけど、私たちにも勇気をくれる赤門旋風。東大の応援歌「ただ一つ」も「闘魂は」もフルで歌えるので、また、なりすまし応援行くべ。(宮台、ホントいいP!)
文化放送報道制作部では「ニュースパレード」を中心に、日々のニュースをお伝えしています。
その一方で、私たちの周りには普段のニュースでは伝えきれないような話が溢れています。
それをお伝えする場所が、このリニューアルしたブログ。
部員それぞれがゆるやかに伝えていきます。
ニュースの「おまけ」として楽しんで頂ければ幸いです。
よろしくお付き合いください。