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2015年12月 3日 テロターゲット

まったく時間が経つのは早いものでもう師走に突入してしまった。
少し気が早いが2015年という年を振り返ってみる。
今年の幕開けは信じられないニュースが日本全国を駆け巡った。
イスラム国による邦人2人の拉致、殺害というショッキングな事件に向合い、
狼狽え、茫然としながらも速報対応に明け暮れた年初だった。

そして11月、イスラム国は標的をフランスに定め、パリで同時多発テロを実行、
自爆、銃乱射という防御不可能な狂気の行いに300人の犠牲者を出した。

やや乱暴な感想だが、イスラム国の凶行に翻弄され、
イスラム国の狂気に世界中が震撼した2015年だったと思う。

では邦人殺害から同時多発テロまでの期間、日本では何が起きていたのかというと、
5月から夏場にかけては集団的自衛権の行使に関する憲法解釈の変更から
安保関連法案の強行採決まで、前代未聞の多数決が決行された。
間違いなく、これが今年のTOPニュースだ。
はたして、自衛隊の武力使用の機会と範囲は格段に拡大するだろう。
「積極的平和主義」という一見、穏やかな正義の履行にも映る自衛隊の行動は、
イスラム国はじめ相手国からは攻撃の対象になると同時に
テロの脅威にもさらされる可能性も高まる。

安倍総理は2004年に出版した「この国を守る決意」という本の中で
『言うまでもなく、軍事同盟というのは"血の同盟"です。日本がもし外敵から
 攻撃を受ければ、アメリカの若者が血を流します。日本の自衛隊は、少なくとも
 アメリカが攻撃をされたときに血を流すことはないわけです。これで完全な
 イコールパートナーと言えるのでしょうか』と述べている。
積極的平和主義の名の下に憲法の解釈を変えた集団的自衛権の行使容認、
そしてアメリカとの"血の同盟"によって来年、日本がイスラム国の本格的な
テロターゲット元年とならないことを切に祈ります。
報道スポーツセンター部長  関根英生

文化放送報道制作部では「ニュースパレード」を中心に、日々のニュースをお伝えしています。

その一方で、私たちの周りには普段のニュースでは伝えきれないような話が溢れています。

それをお伝えする場所が、このリニューアルしたブログ。
部員それぞれがゆるやかに伝えていきます。
ニュースの「おまけ」として楽しんで頂ければ幸いです。
よろしくお付き合いください。

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