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今年のノーベル医学生理学賞に決まった大村智・北里大特別栄誉教授さん。
大村さんは1974年、静岡県伊東市の土に含まれていた細菌の一種から
抗寄生虫薬「イベルメクチン」の元となる物質を見つけました。
イベルメクチンは、オンコセルカ症(河川盲目症)や
リンパ系フィラリアなどに劇的な効果を発揮し、
主に熱帯地方で多くの人を救っています。
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今回の受賞はその成果を称えるだけではなく、
「発展途上国に蔓延する伝染病の治療薬開発にもっと目を向けるべきだ!」
というメッセージも込められているのかもしれません。
薬を開発するのに、製薬会社は巨額の投資をしますが
こうした病気が蔓延する地域は貧困にあえいでおり薬を買うのも難しい状況なので
結果として、なかなか開発が進みません。一種の悪循環と言えるでしょう
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しかし、大村さんは
「とにかく『科学者は人のためにならなければだめだ』と言われてきた。
人のために少しでも役に立つことは何かと考えてきた」と語ります。
そして土探しのため、今も財布に小さいポリ袋を入れて持ち歩いているといいます。
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横浜で開かれた大村さんの講演を聞いた製薬関係者のかたや薬剤師さんは
嬉しそうにこう語ってくださいました。
「薬の開発では、私たちの仲間の研究者が自然界から気の遠くなるような量のサンプルを採取して、
ほんのわずかな薬のもととなる物質を探し続けています。
地道な努力が実を結び、世界中の人の治療に役立っています。
そうした成果と努力が認められたことがうれしいのです」
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大村さんは記者会見で若い世代に向け、
こんなメッセージをくださいました。
「成功した人は失敗を言わないですよ。でも人より倍も3倍も失敗している。
だから1回失敗したからってどうってことないよ。
とにかくやりたいことをやりなさい」
※画像は大村さんと横浜市の林市長
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