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免許証入れを掃除していましたら、緑青にまみれたスーベニア・メダルが出てきました。
コインを販売機に入れると、そのコインがぺちゃんこにプレスされてメッセージが刻まれるアレです。
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今から10数年前、仕事でニューヨークに行ったときにつくったものです。
仕事が終わった後、僕はジョン・レノンが撃たれた現場「ダコタハウス」前に立ちました。
ジョンが、愛するオノ・ヨーコさんと暮らした自宅アパートです。
ただ、その現場には事件について何の痕跡も見つけられず、モニュメントも無く、
あまりにもあっさりしていて、意外に思ったものです。
ジョンのアルバムを聴きながら、僕は高層ビルにのぼり
文字通りの「おのぼりさん」としてこのメダルを刻みました。
眼下に広がるマンハッタンの街を今でも鮮やかに思い出せます。
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ジョン・レノンというと無暗に平和を唱える「仙人みたいなオジサン」と思っているかたもいるかもしれません。でも、どんなことを歌っているのかご存知ですか?少し引用してみます。
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「平和をわれらに」では、こう歌っています。
「いろんな主義の人がいるよね。異なる主義 異なる主張、異なる宗教・・・
だけど結局のところ、そんな僕らが求めているのは『平和をよこせ』ってことだけなんだ」
また、「イマジン」の歌詞はこうです。
「僕のことを夢見がちなヤツだと君は言うかもしれないね。
でも、この夢を見ているのは僕だけじゃないはずさ」
「夢」は必ず叶うとは限りませんが、諦めたとたんに可能性は0になります。
それは少し、「平和」に似ているような気がします。
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ところが、ジョン自ら「夢」を否定している歌があります。それは「GOD」という曲。
『God is a Concept by which we measure our pain』
「神様なんて、痛みを測る概念に過ぎない」
『I just believe in me Yoko and me』
「僕は僕自身(と妻)だけを信じる」
ジョンは宗教を否定しているのではなく、
「権力者や思想家、アーティスト等を盲信せず、世論に流されず
自分自身を信じて物事を考えるんだ」と歌っているのです。
この歌には一度も「平和」や「戦争」という言葉は出てきませんが
これもまたSNSが発達した今、大切なメッセージに思えてきます。
ジョンはこう続けます。『...and that reality. The dream is over』
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安保関連法が成立した日、タクシーの運転手さんが怒っていました。
『お客様の前に乗せた若者のグループが、国会前の集会を見ながら笑うんですよ。
〜俺ら金持ってるから戦争行かなくていいし〜って』
『どういう意味です?それ』
『経済的徴兵制(経済的事情から自衛隊に入隊する人が増える状況)のことを言っているみたいで。
私どれだけ彼らに言いたいことがあったか』
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安保関連法では、政治家が、私たちの命にかかわることを決定したり承認することになります。
主義主張はどうあれ、有権者としてそこだけは忘れずにいたいものです。
18歳に選挙権年齢が引き下げられた今、これからは若者自身も
「自分のこと」として戦争や平和について考えることになるでしょう。
...and that reality. The dream is over.
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緑青にまみれたメダルをつくったあの高層ビル。今から思えばあれはNY世界貿易センターでした。
もしジョンが生きていたら、僕らにどんなメッセージを届けてくれたでしょうか。
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