« 訪問 北方領土① 国後島 | メイン | 北方領土訪問③番外編 »
国後島を出発後、えとぴりか号で択捉島に。
波が高いことで知られる国後水道を通過。
船は大揺れだったそうですが、就寝中のため、まったく気付きませんでした。
朝、目が覚めたらエトピリカ号は択捉島沖に停泊。
島には国後島と同様、艀に乗って上陸しました。
島に近づくと「択捉島へようこそ」と書かれた文字が・・・
この文字は、水産加工会社 ギドロストロイの建物に書かれたもの。
一方、別飛にあるギドロストロイの他の工場に行ってみると・・・
「クリルはロシアの領土」と書かれていました。
一企業の看板と見過ごすことは出来ません。
ギドロストロイ社長は、元軍人で現在、上院議員。
そのギドロストロイが作った温泉保養施設。島民はもちろん、インフラ工事のために島に来ている季節労働者も利用することができます。
択捉島は火山島のため温泉も豊富。写真のほかにも泥温泉が島中央部にあると現地の方に聞きました。
とてもきれいな場所で、観光開発を進める計画がありましたが棚上げ状態に。
理由は、インフラが中途半端のままであること、宿泊施設が少ないこと、投資が集まらないことが理由だそうです。
島を事実上、牛耳っているギドロストロイが開発にお金を出すのかと期待する島民(ロシア人)もいましたが、観光開発より、自分の会社のための保養施設。いわゆるゲストハウスの建設を優先させたことで、一部、島民から不満の声も出ていました。
このゲストハウスは、接待に使われるそうです。
ロシア政府が、北方4島で進めるインフラ整備、クリル発展計画の継続を先日発表。今後10年間で1500億円つぎ込むということです。
4島の人口は約1万7000人。一人頭1億弱の計算になります。
去年、新空港も完成。
ロシア側は中型機で国内線を想定と主張しますが、滑走路は2400m。
大型機も対応できそうな規模で、軍事利用も想定していることがうかがえます。
インフラ整備を進める一方で、島のあちらこちらには旧ソビエト時代の遺物が・・・
10年前に比べて、こうした遺物はずいぶん撤去されたそうですが、まだ半分以上が残っているらしい。
島民によると、インフラ整備にお金がかかるので、遺物の撤去にまでお金が回らないのが現状とのこと。電気、水道、建物、舗装などは進んでも、下水はまだ手つかずで海に垂れ流し状態、環境汚染も懸念されます。
写真は、日本本土ではめったにお目にかかれなくなったというフルマカモメ。
北方領土は自然の宝庫。本土で絶滅した植物や、めったに見られない鳥や動物が数多く生息しています。
文化放送報道制作部では「ニュースパレード」を中心に、日々のニュースをお伝えしています。
その一方で、私たちの周りには普段のニュースでは伝えきれないような話が溢れています。
それをお伝えする場所が、このリニューアルしたブログ。
部員それぞれがゆるやかに伝えていきます。
ニュースの「おまけ」として楽しんで頂ければ幸いです。
よろしくお付き合いください。