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東京電力福島第一原発のある双葉郡内には
東日本大震災が発生するまで5つの県立高校があり、およそ1500人が在籍していた。
しかし、原発事故によって全生徒が避難し、その後母校を去った子も多かった。
双葉郡内から避難したこどもは1万人に上る。
教育委員会は、ほかの高校の空き教室を間借りするなどして授業を再開したが
双葉郡内にある県立高校の在籍数は事故前のわずか2割に減っている。
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しかし、今月8日
郡内で唯一避難指示区域がない広野町に「ふたば未来学園高校」が開校した。
双葉郡内の町や村が
「子どもがいなくなれば地域が消滅しかねない」と危機感を持ち、
「復興の即戦力となる人材育成」などを目的に県に要望したものだった。
3度の甲子園出場経験のある双葉高校を含め5つの高校は休校となった。
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ただ、地元で実際に取材をしてみると
保護者や教育関係者の中からも、
原発から20キロ~30キロ圏内にある町に敢えて開校したことを批判する声が聞こえる。
「復興のシンボルとして子供たちが利用される」とまで語る人もいる。
ただし、国が大々的にバックアップを行い著名人の応援も得て開校したこの学校に対し
表だって非難しにくい空気もある。「もう決まってしまったのだから」と口をつぐむ。
開校を批判したいものの仕事が学校に関わっていて言えない人たちもいる。
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敢えて原発近くに開校されたこの新設高校の入学式。
AKBのデザイナーが手がけた制服と新入生のイガグリ頭はどうにもミスマッチだった。
だけど、どんなにモダンな意匠よりも、屈託無い彼らの笑顔のほうがずっと素敵に思えた。
彼らを見ていて、ずっと感じていた違和感の正体に気がついた。
「故郷の復興を担う人材を育てる」という割には、この制服に「郷土愛」を探せない。
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校歌を作曲したCMプランナーは同じ福島出身ではあるが郡山だ。
地元には「双葉郡出の先輩が手掛けることはできなかったのか」という声もある。
双葉郡内の県立高校を卒業した大学生も「故郷の高校という感覚はない」という。
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国がバックアップするのは良いと思うが、
あくまでも故郷と故郷の未来は彼らのものだということを忘れてはならない。
また、
「国や県、有名人などのバックアップが恒久的に続けられること」、
「原発で重大なトラブルが起きたときの具体的な対応を示すこと」などを
希望に燃えた双葉の子供らに、早急に約束してほしい。
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