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高倉健さんです。
撮影したのはアフリカや中東の写真などでも
名高いカメラマンの石黒健治さん。
その石黒さんが東映任侠時代の高倉健さんに
何年にも渡り密着した写真集「健さん。」が
渓流社から出ました。
他社から出版された写真集に石黒さんの
作品が12枚も紛れ込んでいてニュースにも
なっているようです。
この写真は了解を得て載せております。
艶のある若々しい面立ちの健さん。
本当はもっと世の中に出て良い写真なのです。
しかし健さん亡き後、テレビの画面には
「幸せの黄色いハンカチ」以降の暖かさに満ちた
性格俳優、高倉健しか出てきません。
でも、間違いなく怖い健さんがかつて
スクリーンの中にいました。
健さんは45歳で「君よ憤怒の河を渡れ」に出演。
このあたりで任侠映画と袂を分ちます。1976年頃の事です。
私が子供の頃、うちの町には3つも映画館があり、
そのうちのひとつが東映の映画館でした。
夏やお正月になると恒例の「東映まんが祭」が上映されます。
近所の子供が全員集合して映画館を目指したものですが、
そうでは無い時期に同じ映画館の前を通ると
たいていおっかない看板が立っていました。
間違いなくこの顔です。この健さんです。
ある人は反社会的な世界と呼び、
ある人は美学、ファンタジーと呼ぶ映画です。
ちなみになぜ、私がこの写真をご紹介したかというと、
この写真集。旧知のカメラマンの福田文昭さんが構成を担当したからです。
福田さんもまた、友和さんと百恵さんのスクープ写真や
法廷内の田中角栄激写などスクープ写真の世界で暴れ回り、
歴史を作った猛者であります。
写真展を見かけたらぜひ足をお運び下さい。
人懐っこい笑顔が待っているはずです。
ちなみに福田さんのお兄さんの福田尚武さんは
歌舞伎のカメラマンとして知る人ぞ知る。
勘三郎や玉三郎の写真なんて本当に身震いしますよ。
写真の力とはいったい何なのでしょうね?
一瞬を切り取るカメラの力か被写体の力か?
スクープ写真と歌舞伎、高倉健の一瞬はそれぞれ違うのでしょうか?
カメラが瞬間を永遠に斬り取るように
マイクもまた、音という名の永遠を掴めているのでしょうか?
若き日の健さんの、鋭い眼差しに射竦められて
しがないラジオマンは、それなりに考えてしまうのでした。
文化放送報道制作部では「ニュースパレード」を中心に、日々のニュースをお伝えしています。
その一方で、私たちの周りには普段のニュースでは伝えきれないような話が溢れています。
それをお伝えする場所が、このリニューアルしたブログ。
部員それぞれがゆるやかに伝えていきます。
ニュースの「おまけ」として楽しんで頂ければ幸いです。
よろしくお付き合いください。