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6434人のかたが亡くなり、4万3792人のかたが負傷した震災から20年。
神戸市三宮の東遊園地では
20年目の「阪神淡路大震災1.17のつどい」が開かれました。
震災が起こった午前5時46分には参加者全員による黙とうがささげられました。
あれから20年、いまや神戸で震災経験を持たない市民は4割に上ります。
ただ、震災を知らない若い世代が
被災経験者から話をきこうというイベントに参加するなど
「語り継ごう」という動きも盛んになってはいます。
その一方で、被災者のかたが住む復興住宅では、高齢化が問題になっています。
65歳以上のかたが半数を超え、1年に40人~50人のかたが孤独死しています。
実際に、中央区や灘区、長田区の復興住宅を訪ねて回ったのですが
確かに高齢者が多く、どのかたも「たくさんお話しをしてくださる」のです。
タクシーの運転手さんに伺ったところ、復興住宅が集まっている地域では
わざわざ遠くの町までタクシーで買い物に行くお年寄りが多いのだそうです。
決して贅沢をしているのではなく
「お金を出してでも話相手がほしい」のです。
それがドライバーさんたちもわかっているから、
車を降りて買い物におつきあいすることも、珍しいことではないそうです。
ところが、阪神淡路大震災の被災地では、
お年寄りの見守り制度の縮小や廃止もおこなわれようとしています。
また、借り上げ住宅の入居期限が20年だという問題もあり、
ますます「お年寄りが孤独に追い込まれる」恐れがあります。
高齢化が進むにつれ、それにかかるお金も人もかさむのでしょう。
でも例えば・・・
コミュニティの中にお年寄りを包み込み、
普段の生活の中で
地域の人々が見守れるようなしくみがつくれないものでしょうか。
東日本大震災をはじめ、ほかの被災地でも生かせるしくみを。
神戸市内の復興住宅で
入居期限を理由に退去を迫られている女性は、
長いおはなしのあとに、こうおっしゃいました。
「人は、つながりがなければ、生きていけないのよ」
文化放送報道制作部では「ニュースパレード」を中心に、日々のニュースをお伝えしています。
その一方で、私たちの周りには普段のニュースでは伝えきれないような話が溢れています。
それをお伝えする場所が、このリニューアルしたブログ。
部員それぞれがゆるやかに伝えていきます。
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